はじまりの祝福 ページ16
Aとフレッドが出会ったあの日。
それは"祝福"の始まりだった。
それが起きたのは、なんでもないただの日常の中でのこと。
入りたてホヤホヤの一年生のフレッドとジョージは、
もう既にイタズラ好きの悪ガキとして名を馳せていた。
その時のAはまだ、"スリザリンの変わり者"というレッテルは貼られていなかった。
他の生徒なように純血主義で見栄っ張りなところは見られないものの、今よりずっと人と関わることを避けている____自分を隠しているような子だった。ボサボサの黒い髪に瞳が見えないくらいに汚れた大きな丸眼鏡。それだけで人を寄せ付けなくさせるには十分だった。
2人が出会ったその瞬間、フレッドとジョージは中庭でせっせとイタズラの仕掛けの準備をしているところだった。
そのイタズラとは____"仕掛けにかかった人の心に眠る欲望が幻として現れる"____そんな恥ずかしめを受けさせるようなタチの悪いイタズラだった。
その時、Aは木の上でこっそり身を潜めていた。
見つかりにくくて座りやすい角度があるのだ。そこはAにとって唯一心を休められる場所だった。
Aに気づかないままイタズラを仕掛けていく双子。
腹の底から湧き上がる笑いを堪えるような声を出しながら、楽しそうにしている双子をA木の上から見ていた。
木漏れ日でまだら模様を作った二つの赤い炎がゆらゆらと楽しげに揺れている。Aは羨ましくなったし、私にも兄弟がいたらと思った。いつの間にか、Aは体を乗り出していた。
「____できたッ！！流石俺たちだジョージ！ナイス！これで生徒全員のハズカシー思いをバラしてやるぜ！」
ガバッと起き上がったフレッドが声を上げる。
そして喜びのジャンプした拍子に、木の幹に背中をぶつけてしまった。その衝撃は弱く、小さな音が鳴る程度のものだったが、木の上から身を乗り出していたAがバランスを崩すのには十分だった。
「ぅきゃ！？」
「え！？」
小さな高い悲鳴が聞こえたと思うとフレッドとジョージの前に、小さな塊が落ちてきた。驚いた2人は声を上げる。
その塊は同じ一年生でスリザリンのAだった。
_________そして運悪く、彼女が落ちたのは完璧なイタズラを施した仕掛けの上だった。
ボン！！！と音を立てモクモクと煙が上がる。その煙は赤、白、黄色、青...とかわるがわる色を変えていって、そして_____________
Aの心に秘められた欲望を映し出した。
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とくめい(プロフ) - 見つけて一気に読んじゃいました...好きです...！更新待ってます！！ (12月1日 15時) (
レス) @page32 id: e5f130972d (このIDを非表示/違反報告)
瑚春(プロフ) - うわーん横取られたいです… (10月10日 19時) (レス) @page32 id: a458b63a33 (このIDを非表示/違反報告)
moon - めっっちゃ面白いです！最高です！更新待ってます！ (10月7日 8時) (レス) id: c2609fd96d (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ☆宙☆さん» わ〜ありがとうございます〜！そう言っていただけて嬉しいです...！更新頑張りますね〜！ (2023年3月9日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
☆宙☆(プロフ) - はじめまして！コメント失礼します！毎日楽しみに更新を待つほど大好きなお話です！これからも頑張ってください！応援してます！(^^) (2023年3月9日 20時) (レス) id: 00d954112a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年3月5日 11時
