サプライズ ページ43
数日が経ち、ついに帰国。
イナズマジャパンは、後日行われた決勝戦で優勝することができた。
『ここでお別れしたら、もう会えないんですかね…』
今いるのは空港。それも日本。
イナズマジャパンは全国から集められた日本最強の中学生サッカーチーム。そのため、全員で会うことは難しい。
｢また会えるよ！
俺たちはサッカーで繋がってるんだ！｣
明日人の言葉にAの頬は緩む。
『そうですよね…！またみんなでサッカーしたいです！』
｢Aー！｣
永世学園のメンバーが迎えに来ており、呼ばれるA。
『明日人くん、ありがとうございました…！』
｢またな！｣
バスで帰る途中、イナズマジャパンのことを思い出して泣き、泣き止んではまた泣く、ということが続いたA。
｢いつまで泣いてんだよ｣
『だって…悲しいから…』
｢また会えるって言っただろ？ほら、泣くな｣
ポンポンッとAの頭を撫でるヒロトに、Aはやっと安心して完全に泣きやむ。
それからは泣き疲れて寝てしまった。
Aが目を覚ますと夜になっていた。
｢ほんとよく寝るよなぁ｣
『気づいたらこんな時間に…』
｢ま、お前が寝てる間に準備はできた｣
『…準備？』
ヒロトはAにスマホの画面を見せる。そこには動画が。
“また一緒にサッカーやろうぜ！”
それは円堂のセリフと、イナズマジャパンのメンバーが映っている動画だった。
『いつの間に！？』
｢帰国前日の夜に撮ったんだ。Aにサプライズで、ってな｣
『そうなんだ…ありがとう…！』
それからAはずっと動画を見ていた。
ー帰国前日の夜。
ヒロトは監督に頼みをしていた。
｢サプライズの動画をAさんに？
いいじゃないですか。では早速みんなを呼びに行きましょう｣
実はこの動画を提案したのはヒロトだった。ヒロトはAが別れが寂しいと言うのは予想済みで、そのためお願いをし、動画を撮っていた。
そうだと知らないのはヒロトが照れてAに言わないから。Aが知ったら喜ぶはずだが、なかなか言えないのがヒロトだった。
翌日からは永世学園での生活が再スタート。
サッカー部の活動もいつも通りで、次のフットボールフロンティアに向けて毎日練習していた。
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