迫る危機 ページ34
小僧丸はベンチにも届くほどの大声を上げた。その内容は…
「豪炎寺さん、俺にボールを託してくれ！」
というもの。要するに、ラストリゾートは俺がやる、と言っているのだ。
誰も予想していなかった言葉に場は一気に静まりかえった。
それでも小僧丸は自分の意思を、思いを豪炎寺に伝えていく。
初めて豪炎寺に会った時にかけてくれた言葉、自分のいるべきポジションを教えてくれたことなどを思い出しながら。
小僧丸が最後に叫ぶ思いをぶつけると、豪炎寺は微笑む。
そしてボールが小僧丸へと渡ったのだった。
小僧丸のとびきりの笑顔は、今までに見た事がないほど。
小僧丸は豪炎寺からもらったボールで必死に上がっていき、ついにラストリゾートをうつ時が。
小僧丸が以前出したオーバーサイクロンは、ラストリゾートの1歩手前と言ってもよいもの。そしてそのオーバーサイクロンがラストリゾートをうつのに繋がっていた。
完璧にラストリゾートを使いこなした小僧丸は、ゴールに向かって強くボールを蹴った。
ラケリトが耐えられずにいると、ペトロニオがゴール前まで来てラストリゾートを打ち返そうとしている。
ラストリゾートを打ち返すなんてできるはずない、誰もがそう思ったが…
『ペトロニオさんがラストリゾートを使おうとしてます…！』
Aが叫ぶのと同時にペトロニオはラストリゾートを使った。いや、正確には
「ラストリゾート
小僧丸のラストリゾートはペトロニオのラストリゾート
ドラゴンが現れ、フィールドを駆け抜ける。そしてドラゴンはイナズマジャパンを潰すかのように進んでくる。
明日人たちがドラゴンを止めるために動く。ラストリゾートはラストリゾートで打ち返すしかない、という考えで走り出すも、灰崎がダメージで立ち上がれない。
ドラゴンが目の前まで来た時、またも小僧丸が動いた。
小僧丸はドラゴンに突っ込み、動きを止めている。
そして何かを必死に訴えていた。ベンチまでは聞こえなかったが、明日人たちにはうるさいほどに聞こえている。届いている。
ドラゴンは徐々に小僧丸を超える力で押している。これ以上はもたない。
数秒後、小僧丸はついに吹っ飛ばされてしまった。
このままでは、と思った時、明日人、灰崎、野坂、一星が立ちはだかった。
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