百八噺 ページ9
太宰「今織田作は敵組織の本拠地で、単身による威力偵察を行っています。
緊急対応として、近隣にいたマフィア構成員を援護に向かわせましたが、迚も戦力が足りません。
このままでは貴重な異能者である織田作が死にます」
感情を消した声で治は云った
森「だが彼は最下級構成員だ。
勿論彼も大切な仲間だよ。
しかし幹部級を最前線に晒してまで救出する必要があるのかね?」
そんなもの
太宰「あります。
あるに決まっている」
雄弁な沈黙だった
お互いに互いの心理を理解し、それに対する反論も理解していた
森「・・・太宰君。
ひとつ訊きたい。
君の計画は理解出来る。
だが織田君はおそらく、"誰かの救援など望んではいないだろう"
それについてはどう思うかね?」
治は答えようとした
だが答えるべき言葉がなかった
首領は執務机の書類棚から封筒を取り出し、眺めながら云った
森「太宰君。首領と云うのはねえ、組織の頂点であると同時に組織全体の奴 隷だ。
ポートマフィアを存続させるためなら、
敵を減耗させ、味方の価値を最大化し、組織の存続と繁栄の為なら論理的に考え得るどんな非道も喜んで行わなくてはならない。
私の云う事が判るね?」
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作者名:赤猫 | 作成日時:2018年6月8日 0時