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百二十七噺 ページ28

横浜の歓楽街

色とりどりの電飾看板が立ち並び、夜半まで多くの人で賑わう


橙色の提灯の浮いたとある飲み屋で、白髪で大柄の男が独り、卓席に座っていた

白髪の大男は、渋い顔で独り、猪口の酒を飲んでいた


「内務省の重鎮がこんな安酒場で独り手酌とは・・・寂しい限りですねぇ、種田長官」


突然差し向かいの席に座った若者二人に、白髪の男──種田は驚いて顔を上げた


種田「君達は」


『お注ぎしますよ』


向かいに座ったにこやかな顔青年──太宰の隣に座った女性───Aは銚子を傾けて猪口に酒を注いだ


種田長官はそれを受け、一息に飲み干してから、じろりと太宰を見た


種田「暫く行方を眩ませとったと噂で聞いたが」


太宰「転職先を探してましてねぇ。

どこかお勧めはありませんか?」


種田「特務課を希望かな?それなら──」


太宰「そちらの方は辞退しますよ。

規則の多い職場は肌に合わなくてね」


種田「では何が希望かね」


『"人助けが出来るところ"』

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作者名:赤猫 | 作成日時:2018年6月8日 0時

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