百二十三噺 ページ24
織田「友人にさよならを云っていない。
この世界でずっと"ただの友人"でいてくれた奴らだ。
一人はこの世界に退屈し、ずっと死を待っていた」
そしてAは、そんな太宰をこの世界に繋ぎ止めていた
ジイド「その男も乃公と同じように、死を求めていたのか?」
織田「いいや。
違うと思う。
最初、お前と太宰は似ていると思った。
自分の命に価値を見ていない、死を望んで暴力と闘争の中に飛び込んでいく。
だが違うんだ。
あいつはあまりに頭の切れる、ただの子供だ。
暗闇の中で、俺達が見ている世界よりもはるかに何も無い虚無の世界でひとり取り残され、ただ泣いている子供だ」
太宰にとってのAはひかりなのだ
唯一太宰の孤独を理解している
私と安吾が太宰の近くに居られたのは、太宰の周囲を取り囲む孤独を理解し、傍に立ちながらも決してその中には踏み入らなかったからだ
だが今では、その孤独に土足で踏み込まなかったことを、少し後悔している
私達の銃口から弾丸が発射されていた
弾丸が胸元に吸い込まれていく
ジイド「最後まで素晴らしい弾丸だ」
ジイドは笑った
ジイド「部下に会いに行くよ。
子供達によろしくな」
私とジイドの胸に弾丸が着弾した
そこで"特異点"は消えた
私達の胸を弾丸が貫通した
服も貫通し、後方に抜けた
私とジイドは、同じタイミング、同じ姿勢で、仰向きに倒れた
その時足音が聞こえた
「織田作!」
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作者名:赤猫 | 作成日時:2018年6月8日 0時