太宰さんの彼女【文スト】

二十五噺 ページ26

息苦しくて目が覚めた


少しだけ布団を捲ってみると


私の上で寝ている治がいた


何やってるのかしらこの子


すやすや寝ている治の頬をむにっと摘む


わぁ、柔らかい


子供特有の柔らかさ


太宰｢んん｣


『あら、御免なさい。


起こした？』


太宰｢うん｣


未だ焦点が定まらない瞳をこっちに向けて云う


太宰｢いま、なんじ？｣


『んー、7時半。起きる？』


太宰｢うん、起きる｣


寝起きだってこともあって舌っ足らずなのが可愛い


『ほら、顔洗っておいで』


太宰｢うん｣


ふらふらしながら部屋を出ていく治


なんだろう、此の母性本能が擽られる感じ


中身は18歳のままなのに


子供って不思議ね

二十六噺→←二十四噺

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す