GAME51 ページ11
「＿イレよ＿＿一緒＿きて＿＿」
....う..ん.....なに....？
ｶﾞﾗｯ
ﾊﾟﾀﾝ＿
耳に入ってきた声に薄らと目を開ければぼやける視界に人影が映る
そのふたつの影がドアの向こうに姿を消した後に脳が少しずつ覚醒し完全に目を覚ます
私...いつの間にか寝てたのね...
ゆっくりと身体を起こすと腕や腰の節々に鈍い痛みが走る
きっとそのまま地面に横になったからね
痛む部分を摩り周囲へ目を向けると眠りに着く直前まで会話をしていたカイコクさんが棚に寄りかかったまま寝息を立てている
すやりと眠る彼の顔はいつもの風格とは一変し少しだけあどけなく可愛いと感じてしまう
そんなことを思っていれば不意に先ほどの出来事を思い出す
手を滑らせた彼がこちらに向かい、気づいた時には倒れ込んでいた
身を引いたのを確認し目を開ければ思いの外近かった距離
突然のことに驚愕したのもそうだが、それ以上に”彼”という存在に胸が跳ね上がった
ｶｲｺｸ［悪いAちゃん、怪我はねぇ..か...］
貴［...は..はい、だいじょうぶ..で...！ ］
視界に入ったのは天井をバックに映る彼
彼の端正な顔立ちと見下ろされた黒目に影を指し、起き上がったせいで開けた着物の合間から引き締まった胸元と首元の刺青が妖しく映り艶めかしい空気を醸し出していた
その瞬間はまるで時間が止まったようだった
貴「...って、何を考えてるのかしら...」
私はそうやって油断して＿＿
それに私はここで全てを終わらせるの
だからこそ彼らとも上辺だけの関係でなければならない
必要以上に深入りしたらダメ
貴「....」
邪念を振り払い再び周囲へ目を向ければアカツキくんとカリンちゃんがいなかった
それとユズさんも
さっき見たのはアカツキくんとカリンちゃんね...
寝起き沙汰に聞こえた会話的に恐らくお手洗いに行ったんだわ
＿＿＿アカツキくん
帰還した彼に感じたあの違和感...あの後は何一つ感じなかったけれどカリンちゃんと二人きりの今彼が気がかりなので食糧庫を後にしお手洗いへ向かう
ドアを開ければ薄暗い廊下
ここから一番近いのは階段を上がって直ぐの場所
二人一組での行動と言われたが、生憎こういったことは一人の方が気楽に動ける
私はそのまま階段を上り廊下へ出ると人型の看板が見えた
ｶﾞｼｬｧﾝ
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作者名：ティア | 作成日時：2019年9月10日 13時
