GAME32 ページ34
アンヤ「...とか威勢よく言ってたくせによ」
アカツキ「め...面目ない...」
一先ずマンイーターから離れ下の階へ来ていた私たちは静まりかえった廊下で足を止めた
アカツキくんは息を切らしてその場に座り込み、アンヤくんは崩れた外壁から何かを探していた
貴「大丈夫?これで汗拭いて」
スカートの懐からハンカチを取り出して彼に差し出すと首を振って断られた
アカツキ「綺麗なハンカチが汚れてしまいますよ。俺は大丈夫ですので」
貴「ダメ、ちゃんと拭かないと後で風邪をひくわ」
彼の制止を押し切るように額にハンカチを当てがうと肩を跳ねさせ頬がほんのり赤くなっていく
恥じらう彼にクスリと笑みを零して離れればはにかむような笑顔でお礼を言われた
アカツキ「すみません、ありがとうございます!」
貴「どういたしまして」
そのやり取りの横で外壁から鉄パイプを抜き出したアンヤくんはアカツキくんに向かってそれを投げ渡した
アンヤ「テメーも持っとけ」
アカツキ「...アンヤくん、俺体育2です」
アンヤ「はなから期待してねーし。Aは...」
貴「?あ、私はこれがあるから大丈夫よ」
こちらを向いた彼に持っていた刀を見せれば、掠ったことを思い出したのか眉間に皺を寄せそうかと口にし自分用のパイプを引き抜いた
その横顔はどこか顔色が悪く目を擦り始めた
それを見兼ねたアカツキくんが彼に問いかけたが何でもないと言って歩を進める
そんなアンヤくんの様子に早く食糧庫へ向かおうと目を細めた
アンヤ「あ...?」
アカツキ「あれって...」
角から見覚えのあるシルエットが現れたかと思うと証明に照らされたその者は先程別れたばかりのカリンちゃんだった
けれど彼女の纏う空気がいつもと違う
アカツキ「...カリンさん?」
アンヤ「テメー向こう側に行ったはずじゃ...」
彼らの呼び掛けに言葉を発さずにとても綺麗な笑み向けてきた
その様子にカリンちゃんではないと悟った私は刀を握る手に力を込める
なんせ彼女はこんな薄暗い場所を1人で歩かないだろうし、例えそうだとしてもこんな冷静な顔はしないはず_笑みなんて以ての外
彼らに至っては顔を青ざめ身震いしていた
アンヤ「な...なんか変だぞこいつ」
アカツキ「カリンさん、大丈夫ですか?恐怖で壊れたんですか?」
心配するように彼女に近づいたアカツキくん
すると彼女はアカツキくんの首に腕を回し抱き着いた
いきなりのことで硬直する彼に彼女の異変に気づいたアンヤくんが咄嗟に口を開く
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ティア(プロフ) - ザクロさん» わわっとても嬉しいです、ありがとうございます!頑張りますっ (2019年8月27日 22時) (レス) id: a84115a91a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - すごい面白いです!更新頑張ってください (2019年8月27日 7時) (レス) id: 13cb67c2ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティア | 作成日時:2019年8月18日 12時