REBORN † 桃を啄む鶫。次世代に咲く花 -1- (ページ10)

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日常[10] -雲雀桃- ページ10

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それから、鶫と校門前で別れた。

校門を潜れば、私は“風紀委員長”で、鶫みたいな不良を“咬み殺さ”なきゃいけないから。

だから、校門へと走って、そのまま応接室まで一直線。

応接室には先客がいた。

「あ。来たわね」

「あれ、律華(りっか)。どうかした？」

黒髪を綺麗なお団子に纏めている、この大人びた女子は、笹川律華。

律華も、お父さんの職場を通じて知り合った。

了平さんと、花さんの子供。性格は花さんに似てるけど、熱い心を忘れない柔道部主将。と、同時に保険委員長だったりする。

「ほら。アンタにラブレターよ」

「ふぅん。誰から？」

興味が無くて、そう聞いたら、『自分で見ろ』と怒られた。

グチャグチャに丸められた“ラブレター”を広げる。

「……………………」

「誰だった？」

律華がソファに座り、私の返事を待つ。

私はクスリと笑い、ラブレターという名の果たし状を破り捨てた。

「昔、掃除したときに残った埃だよ。今日の放課後、体育館倉庫だってさ」

「私も行こうか？」

一瞬、断ろうかと思ったけど、私は首を縦に振った。

「そうね。救急箱持って来てよ。約15人くらい、手当てが必要になるから」

この時、私は最高に黒く笑った。

†

案の定、律華は大活躍だった。

私が嬲り殺していった奴等を、手際よく手当てしていく。どうやら、今日は救急車を呼ぶ必要はないらしい。

バキッ！

「あ」

やってしまった。男子生徒が自分の腕を擦りながら、涙目で叫ぶ。余りにも煩くて、頭突きを食らわした。すると、気を失ったようで、男子生徒は沈黙する。

「ごめん、律華。腕折っちゃった。頑張って」

「治せるか。こいつは救急車ね」

「手加減してたんだけどなっ」

飛び掛かってきた奴の片腕を引き、足で引っ掻けて床に転ばず。腹を下にして、そいつは苦しそうな声を上げた。

その上に馬乗りして、耳元に囁く。

「貴方で最後？」

そいつが、コクコクと頷いた。

「そっ。なら、死になよ」

そいつの頭に肘鉄を食らわす。呆気なく、そいつは沈んだ。