【プロセカ】彼に振り向いて貰うまでの筆録 (ページ1)

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第一幕ページ1

その日、私は同じクラスの友人である瑞希ちゃんに誘われ、フェニックスワンダーランドのショーを見に来ていた。

正直に言ってしまうと、最初は乗り気ではなかったのだ。

ショーだなんて子供らしいと思うんだけど。

私がそう言うと、瑞希ちゃんは無邪気な笑顔を見せ

「そんなの先入観でしょ〜？Aちゃんはさ、見た事がないからそんな事言ってるだけだって！ボク達の先輩がやってるショーなんだよ？凄く面白いんだから、騙されたと思って見に行ってみようよ〜！」

親しい友達にそんな事を言われてしまったら、断れないのをきっとこの子は分かってるんだろうな…なんて、内心そう思いながら首を縦に振れば瑞希ちゃんは楽しそうに、やった〜！なんて喜んでいる。この子には敵わないなぁ…。

瑞希ちゃんの、思い立ったら即行動！今日行こうよ！という言葉で放課後に行く事になり、放課後フェニックスワンダーランドへ向かう道中、瑞希ちゃんからショーをしている先輩方の話を聞いたのだけど、何だか不思議な人みたい。何でも、変人ワンツーフィニッシュだなんて呼ばれてるだとか。

瑞希ちゃんと、一通りアトラクションを楽しんでいればショーの開演時刻になったようでアナウンスが聞こえた。

「ほら、Aちゃん！早く行かないと最前で見られないよ〜！！」

不意に腕を引っ張る瑞希ちゃんに、着いてステージへ向かえばまだ観客は集まっていなかったらしく最前は空いていた。

私達が最前に座り、時間も経てばある程度席も埋まっていたので、今から見るワンダーランズ×ショウタイムというユニットは、きっと私が思っているよりも人気なのだろう。

ブザーが鳴り幕が上がれば、舞台上に立っていたのは金色から桃色に変わる髪色が綺麗な彼。

私は、不思議と彼から目が離せなかった。何故なのかは私にも分からない。
私が息を呑み魅入っていたのが分かったのだろう。瑞希ちゃんが楽しげにこちらを見ている。

でも、今はそんな事はどうでもいい。

彼から目が離せない。もっと、彼の声が聞いていたい。彼の演技を見ていたい。
彼がピンチな場面では、無意識に頑張れ、と声が洩れてしまっていた。