☆ ページ3
「はい、これで全部！……そんな顔しないで。大丈夫だから。もし死んだって、お化けになって会いにくるよ。」
こんな状況になってなお俺を励ますべく笑う彼女は、とても痛々しくて、それが堪らなく愛おしかった。
「……今日って、何の日だっけ。」
「？ハロウィンでしょ。」
「うん。だから、もしお前のいうその時が来たらさ、10月31日に会いに来いよ。」
「何で？お盆とかあるじゃん。別にわざわざハロウィンにしなくても、」
「ーーハロウィンってさ、元は幽霊が会いに来る日なんだよ。」
「幽霊になって、渋谷でも原宿でも池袋でも、浮かれてはしゃぐ何も知らない奴らの頭を飛び石にでもしてさ、俺に会いに来てくれよ。」
「俺は待ってるから。南瓜くり抜いてランプにしとくから、それを目印にここまで来い。魔除けなんて知るか。お前が分かればそれでいい。」
「だから、俺大丈夫だから、」
「頼むから、まだ傍に居てくれよ……。」
精一杯の強がりで出た言葉が、夕日で満ちた車内に零れる。
「…………幽霊じゃ、夜中のうちに帰らなきゃだよね。」
「…………。」
「それは、ちょっと嫌かな。」
「……どうせなら、」
強く差し込む西日の中で、彼女は柔く微笑んだ。
「ーーあんたと、夜明けが見たいなあ。」
☆☆☆☆
皆さんどうもお久しぶりです！いや初めましての方が多いですね、あにゅと申します！
今回ハロウィンというお題で書かせて頂いたんですがいかがでしたでしょうか。如何も何もハロウィン要素うっっすいですねすいませんでした(爽やかな笑顔)
こんなことしてないで話の補足をしなければ。
えっとアレです感じてください。考えたら負けです。こういうのは勢いが大事なんです。
最初と最後のあの台詞、割と意味不明ですが一応「生きたい」という意思表示です。うーん分かりにくい！
ちなみにタイトルですが『銀河鉄道の夜』のカムパネルラの名前をお借りしています。宮沢賢治さん大好きなんです。死後50年だから著作権大丈夫だよね！？って思いながら書きました。
今回はあんまり恋愛っぽくなくてどちらかというと2人の関係は親友に近いかなあということでこうなりました。ああ文字数が足りない。
最後になりましたが素敵な企画にお誘い頂きありがとうございました！爆死案件は最初だけなので後は安心して読んで下さい！
お次はしろひつじ様です！！しーちゃんの清らかで美しい、それでいて芯のあるお話をお楽しみに！
あにゅでした！！
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瑠璃?(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます。 とても素敵な作品ばかりで尊敬します……！ 春音さんのお話に出てきた先輩は弟の姉さんでしょうか？ 合ってたらお友達d)) ……これから更新されるお話も楽しみにしてます！ (2016年10月29日 9時) (
レス) id: 72272aaac8 (このIDを非表示/違反報告)
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