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わたあめ ページ11




目の前にいるお人形の様な子は今連れてきた猫で、人間じゃなかった。
当たり前か、例えどんなに人形みたいに可愛くたってお持ち帰りしないくらいの常識は俺だって持っている。


ころころと笑った彼女は今いた白猫そっくりで、寧ろ白猫そのものだった。


「ねぇ、貴方のお名前は?」

「ぇ…luz、だけど」
「そうなの?素敵な名前ね」


わたし、Aって言うの。なんて平然と白猫と同じ名前を名乗る少女はほんとに魔法が使えたみたいだ。


「魔法なんて使えないよ、luz君が 小瓶の中身を出してくれたから変われたの」

「心でも読めるみたいだね、」
「さぁ?どうだろ」


あぁそっか、苦しそうな小瓶外して中の欠片取ったんだっけ。
その瞬間 硝子でもなく、プラスチックでも無い不思議な欠片は透明からカラフルな色に変化していって光が出てきて、今、この子がいる


「わたし、悪い魔法使いに白猫にされちゃったの…luz君があの道に入ったのはわたしと出会う運命だったから、じゃないの?」



「ねぇ、それ嘘でしょ」



涙目でうるうると此方を見られても関係ない
瞳の奥は汚い大人と同じ、淀んだ色で俺が道を誤るのを愉しげに見つめているんだ。



「あれ、なんでばれたの?」


泣き真似もすぐに止め、自を出した白猫。
目の奥が汚かったから と返事を返すと そっか、と言って白猫はまた笑った。


意味分かんないや、


「そうだね、魔法の世界も人間世界と同じ 汚いから淀んじゃったのかもね」

「じゃあ君は魔法使い?」
「君じゃなくてAだってば、わかるでしょ?」


そう言ったから下の名前を呼んで答えを催促してもさぁどうでしょ、と言って教えてはくれない。



これだから淀んだ目は好きじゃない。
そう言ってる俺も多分、厳しい世界をみて目の奥なんてとっくに淀んでいるのだろう。

☆→←魔法に欠片



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瑠璃?(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます。 とても素敵な作品ばかりで尊敬します……!  春音さんのお話に出てきた先輩は弟の姉さんでしょうか? 合ってたらお友達d)) ……これから更新されるお話も楽しみにしてます! (2016年10月29日 9時) (レス) id: 72272aaac8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加者の皆様 | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2016年10月19日 13時

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