HERO part10

432 ページ6

．





(北山side)





待ち合わせ5分前、

俺の予定通りに着いた駅前






…まだ来てない、か。






キョロキョロ辺りを見渡して

姿を探しても見つけられなかった








やだっ！やめてっ！！







少し遠くに聞こえた声は

何故かハッキリと聞こえて

その声がAだ、と

身体が勝手に動き出した








どこから聞こえたのか、

場所も全然わからないのに、

俺は迷うことなく進んでいた





少しずつ近付く声に

俺の脚もどんどん急ぐ







『やっ、…やだっ！』






目の前に見えるのは

間違えなくAで。



知らない男に腕を掴まれていた。






北「ちょ、何してんの」


「あー？邪魔すんなよ」


北「手、離せ。俺の彼女に触んな」


「あ？んなマジになんなよー
つまんねぇーなー」






結構簡単に諦めて離れていった男に

ホッ、としながら

Aが大丈夫か確認する







北「A、大丈夫か？
遅くなってごめんな？」


『ん…だいじょ、ぶ…』


北「怖かったよな？ごめん…」


『んーん、ありがと…』





もう絶対待ち合わせなんかしねぇ…







．

433→←431

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す