HERO part1

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尻餅をついてる私に近付いてきて

「消えろ、ブス！」

暴言を吐き捨てて鞄を振りかざした





あ、これ痛いやつかも…





なんて、

冷静な自分に驚きながらも

避けられるはずなのに避けられない、

スローモーションに見える鞄が

私に当たる直前に目をギュッと閉じた





……あれ？痛くない？？




そろーっと目を開けると

目の前にスーツを着た人の後ろ姿




「お前らバカなの？」




「えっ、や、あの…、っ、」




「消えんのはお前らだろ」





走ってこの場を去る4人が見えて

はぁ〜、って

思いっきり安心の溜息をついた





振り返って「大丈夫か？」って

手を差し出してくれたのは





ミツだった






北「いつから？」


『へ？』


北「初めてじゃないんだろ？」


『あぁ…まぁね。こんな酷いのは初めてだけど』


北「はぁー、無事で良かったよ」


『助けてくれてありがとう。
…でも、何で？たまたま？』


北「…偶然だよ、俺も家こっちだから。」


『そっか。…ありがと』


北「おー。また何かあったら言えよ？」




その後は家まで送ってくれて…

チャラいだけかと思ってたけど、

男らしくて優しい一面を見て

モテる理由がわかった気がした。





それからも、

家の方向が同じという偶然から、

時間が合えば一緒に帰ることもあって

どんどん仲良くなっていった。






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