◇20cm ページ23
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「もう一本!!!」
「これがラストにしよう」
何十本目かのサーブ。
そして、ようやく
ーーードンッ
「………!」
テーンテーン、とボールは転がっていく。
「いやった!やった!綺麗に返った!」
「うん、今のは良かった。いい感じにボールの勢いを殺してたね。ちゃんとセッターのところに返ってる」
「ヨネさん!ありがとうございました!!」
「いえいえ。篠宮ちゃん、飲み込みが早くて良かったよ」
「ヨネさんの教え方が良かったんですよ!」
「だと良いけどねえ(笑)」
ほんとにありがとうございました!と頭をさげると、ヨネさんはニコリと笑って、自分の練習に戻っていった。
「………でも、まだまだだ。ヨネさんに比べたらぜんぜん駄目だ。また教えて貰おう。自主練とか、誘ったら一緒にしてくれるかなあ……」
「自主練、俺とやらないの?」
「…………うぇ!?!あ、マサ先輩」
「お疲れさま。で、自主練。俺とやらないの?」
「いやでも、毎日付き合わせるなんてとんでもないです……」
「別に。俺の練習にもなるから良いんだけど」
「そ、そうですか」
「うん。……あとさ」
マサ先輩の顔がぐっと近づく。え、ちょっと待ってナニコレ。
「Aちゃんさ、パーソナルスペース狭いの?」
「………へ」
「ヨネさんとさ、さっきこんぐらい近かったでしょ」
マサさんの声が耳元で聞こえる。ほんとなにこれ、恥ずかしい。
恥ずかしさのあまり、さっと距離を取ってしまった。多分、私の顔は真っ赤だ。
「なんで逃げるの」
「だ、だって近いぃ………///」
「ヨネさんだって、同じぐらいだったよ?」
「………で、でもっ!//」
マサさんだと、なんか変なんです。
体の底から熱がこみ上げてくるような。心臓だって煩く鳴ってるし。
「ま、いーや。(笑)Aちゃん、今日も自主練おいで。てか来ること。先輩命令ね」
「だから職権乱用………」
「こういうのはドンドン使わないと」
「笑顔で凄いこと言わないでください」
気持ちが良いくらいの笑顔で、S発言をする。いや、全国の柳田ファンなら、今頃連写してるんだろうけど。
「なに考えてたの」
「色々です」
「なにそれ(笑)」
さっきのドキドキは収まったけど、火照った熱はなかなか冷めない。
マサさんといると、私が私じゃないみたいになる。
「…………不思議だなあ」
この熱は、一体何だろうか。
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夏(プロフ) - 高橋優さん» ありがとうございます!最近は更新が停滞してしまって……>< (2017年1月29日 16時) (レス) id: 158d7772d4 (このIDを非表示/違反報告)
高橋優(プロフ) - 楽しみにしてます!頑張ってください!! (2017年1月13日 22時) (レス) id: b132b1eb85 (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - CMYさん» ほんとにほんとに更新出来てなくてすみません!!!!!!受験勉強で時間取れなくて………。ほんっとうに申し訳ないです!応援いつもありがとうございます!!すごく有りがたいです。期待に添えずほんとうに申し訳ないです。なんとか頑張っていきます!! (2017年1月10日 22時) (レス) id: 158d7772d4 (このIDを非表示/違反報告)
CMY - 復活されてこちらもとっても嬉しい限りです!夏さんのペースで構わないので、これからも更新待ってます!頑張って下さいね!応援しています!!! (2016年8月24日 12時) (レス) id: 12f3ffde3b (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - CMYさん» 返信遅くてすみませーーんん!!!(泣)実は、テストの点があまり良くなくて、携帯使えなかったんです………。更新また再開していくのでよろしくお願いしますね!!ずっと待っててくださってありがとうございました!!!(泣) (2016年8月23日 16時) (レス) id: 158d7772d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏
作成日時:2016年7月1日 21時