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「なあ、リンってここしゃぃ来る前はどげん風に生きとったんだ?」
ハリネズミが聞きました。
「私は…親に散々苦しめられながら生きてきたよ。私はね、お母さんに望まれて生まれてきた存在じゃないんだって。お母さんの多くの愛人の中の誰かとの間にできた子らしいの。つまり、お父さんが誰だか分からない。お母さんは私を堕ろすことも考えたらしいけど、お金の問題でそれはできなくて仕方なく産んだみたい。でもお母さんって世間の目を気にするタイプだから、捨てたり施設に預けたりはしなかった。その代わり、私はお母さんからずっと酷い扱いを受けてきたよ…学校でもね。無能だとか足手まといだとか散々罵倒されたし、たまに軽く手も出された。けど、そういうのって跡が残らない代わりに精神的に結構キツいんだ。それでもう耐えられなくなった私は家出して、偶然この森に辿り着いたの。そしてフクロウさんのお誘いで、ここで暮らすようになったんだよ…」
リンは悲しげな表情を浮かべたまま続けました。
「最初はね、みんなと仲良くなれるか不安だったの。だって私は人間。人間は自然を破壊して生きる存在だから、みんな私のことを怖がったりしないか心配だった。だけど、みんなは違った。私が人間であることを知っていても、みんな優しくしてくれた。それだけじゃない。みんなは私を受け入れてくれただけに限らず、守ってあげるとまで言ってくれた。すごく嬉しかった。こんなにも優しい味方がたくさんいるなんて思わなかったもん。だからね、みんなには本当に感謝してもしきれないよ…」
「リンはん…」
「リン…」
「…」
キツツキとネズミは心配そうに彼女の名を呼び、シカとハリネズミは言葉を失っていました。

「…みんな、油断は禁物よ。とにかくリンちゃんが奴らに見つからないようにしましょう」
ウサギが真剣な顔で言いました。
「そうだネ」
「うん」
「もちろん!」
「わかったばい」
「了解どす」

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設定タグ:AIのべりすと , 女主 , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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フェリシア(プロフ) - よるいろさん» いえいえ!こちらこそ読んでくださってありがとうございました! (7月11日 22時) (レス) id: a635426397 (このIDを非表示/違反報告)
よるいろ(プロフ) - イベント参加ありがとうございます。評価・コメント失礼します。動物たちのほのぼした話かなと思っていましたが、それだけではなくとても面白かったです。土曜日の更新も楽しみにしています。素敵な作品をありがとうございました!! (7月11日 22時) (レス) @page14 id: 76109380ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フェリシア | 作成日時:2023年7月8日 19時

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