双子の私はいつか死ぬ。【HxH】

銀髪の差　6歳 ページ7

執事「今日の戦闘訓練は、7−3でキルア様の勝ちです。」

貴方「ハア、ハア…」

キ「ふー…」



やばい、差がどんどんついてる。

二年前にキルアと戦闘訓練をしたけど、その時は別に実力に何も差はなかった。
逆に、私のほうが強かったと思う。

でも、二年も経てばそんな差なんかすぐ埋まっちゃう。
今ではキルアの方が私より強い。


体力と感知能力、そして銃や刀などの武器の扱いなら私の方が上手だけど…

素早さと力強さ、そして暗殺一家の当主になるには欠かせない暗殺術は、キルアの方が断然上手い。
暗歩とか肢曲なんて、私には無理。
何をやっても、私にはできない。

もうすでに、執事達の間ではこんな噂が広まってる。



『後継者はキルア様になりそうですね。』

『A様が可哀そうです。』



こんな会話も聞こえた。



『A様は一家の落ちこぼれなのでは…？』

『しっ！そんなことを言っているのを聞かれてしまえば、クビにいなるぞ！』



そのことを口走った執事は、本当に首になった。



でも、その執事を首にしたイル兄も、きっと同じことを思っているだろう。
いや… ゾルディック家全員がそう思ってるはず。



キルアは暗殺のナチュラル。
天才だ。

私は暗殺が下手くそで、何をしても一向に上手くならない。
ただの落ちこぼれだ。



…やっぱり、私が死んじゃうのかな…
キルアに殺されちゃうのかな…

嫌だなー。
死にたくないけど、どうせ抗おうとしても抗えない運命だから…
仕方ないか。



貴方「ハア… 憂鬱。」

キ「あ、いたいた！A！」

貴方「あ、キルア…」



そんなことを考えていながら廊下を歩いていると、キルアとすれ違う。
ほんと、嬉しそうな顔してるなー…

今までずっと一緒に過ごしてたけど、最近私は出来るだけ彼を避けようとしてる。
だって、いつか自分を殺す相手と時間を過ごすとか、どんなに大好きで仲がいい双子でも、嫌じゃん。

なのに、キルアは空気を読むどころか、無理矢理私と行動を共にする。



キ「なあ、ゲームしようぜ！次の訓練まで時間あるしさ。」

貴方「え、あ、うん… やろっか。」

キ「よし！！早くやろ！」



彼の楽し気な表情を見ると、拒否なんかできなくなった。






私に残された時間はもう少ないだろう。



あと数年すれば、私は死ぬ。



でも、それまでの時間…


双子の妹として、全力でキルアを支える。







それは私にしかできない、唯一の事だ。

銀髪の双子の妹と弟　6歳→←銀髪の双子(2)　4歳

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