【忍たま】灰色の隣側 (ページ5)

今日:6 hit、昨日:58 hit、合計:2,886 hit

第５話ページ5

(諸泉side)

女中｢ちょっと出てくるから、火元お願いできる？｣

諸泉｢わかりました｣

尊奈門は昼食の準備を担当していた
耳をすませば、自然と噂話が聞こえてくる

｢…最近、人攫いが起きているらしいわよ｣

｢知ってる。城下の若い女子を攫うって事件でしょう?｣

｢そうよ。お屋敷の女中として雇わせたり、
主人専属の使用人にしたり……｣

｢人手が足りてないのは確からしいけど…｣

｢いくらなんでも野蛮よねぇ…｣

諸泉｢(人攫い事件……?)｣

それを聞いた尊奈門の脳裏にAがよぎる

諸泉｢(Aなら大丈夫だと思うが……心配だな)｣

城内は広い

一度合流するためにも、
姿を確認して合図を送らねば…

昼食を運んだあと、
職務に励みながらAを探すことに

───

Aは今、外で洗濯物を取り込んでいた

A｢これ終わったら移動して、聞き耳頭巾で……｣

???｢何頭巾だって？｣

A｢(…声に出てた!?)｣

聞かれたからには逃がすまいと思ったAは

この女中を気絶させようと、
首を目掛けて手を振り下ろすが

見事に手を捕らえられ、
背中で絞められる

A｢うわっ!!｣

???｢何するのこの娘っこ！！｣

A｢思いっきし男じゃん！！｣

???｢何ですってえ〜！？｣

そう言ってAの頬を引っ張る

A｢ひゅいまへんへひひゃ……｣

茜｢アタシは茜！これでも評判の上女中よ！｣

A｢うえぇ……｣

茜｢引いてんじゃないよ！…アンタ、他の城の者だね｣

A｢(バレてる……)｣

茜｢ほら、これ片付けにいくよ｣

A｢あ……はい｣

帯束を両手に
茜と外廊下を歩きながら、小声で会話をする

茜｢…それで、どうしてこんなことしてるの？｣

A｢…最近、アカトキがコソコソしてるって噂を聞いて…
というか、女装してるって事は、茜さんも潜入調査ですか?｣

茜｢それもあるけど…
アタシはここらの城下で小物売りをやっていてね
女中も兼ねながら情報屋を営んでいるの｣

A｢そんなこと安易に話しちゃっていいんですか?
私が敵かも知れないのに｣

茜｢何言ってんのよ
アタシは争う気なんてさらさら無いよ
アンタがどこの城の者か知らないけど、
アタシを巻き込まないでおくれ｣

A｢そっちが先に話しかけてきたくせに……｣

Aは渋々、茜の後に続いた