好きな人がいること。ただそれだけ。

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あ「冬真ー！」



自転車BMXの練習場で、

ひと際技を決める冬真




私の声に気づくと自転車を倒し


走ってきた




冬真「どーしたのー？

兄貴は？」




あ「美咲ちゃんに取られちった。」





冬真「取られちったのー？

しょーがねーなぁー。」





そう言いながらこっちと座れる場所まで


案内してくれた。





私が棒付きの飴を差し出すと



ありがとうと口に入れる。





あ「秋ってさー。美咲ちゃんの事好きなのかな？」




冬真「いや、それはないでしょー。

だってお前いんじゃん。」




あ「私の事は何とも思ってないでしょー。」



冬真「そんな事ないでしょー。

あっ。ねぇ、今からさ、

ちょっとお茶して帰ろーよー」





あ「あり！行こ行こ！」





私がそう言うとニコーと微笑んで







冬真「自転車取ってくるわ。


待ってて！」



と小走りで去っていく。









お前いんじゃん…か。







海の見えるこの場所で、



私のものだと思ってたあの3人が



まさか美咲ちゃんにね…





不安は募るばかり…

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