引き継ぎ本丸の幼女審神者ちゃん (ページ11)

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8話ページ11

しんと静まり返った部屋で、ママはこう言った。

母「お久しぶりです、皆さん。遺族を代表して、私結衣がご挨拶を申し上げます。

先日、祖父が逝去されましたこと、心よりお悔やみ申し上げます。皆様に支えられ職務を全うできましたことを故人に代わり深く感謝申し上げます。皆様に心からのお見送りをいただき、故人も大変喜んでいることと存じます。

故人との思い出話をお聞きしたいところですが、本日は本丸の引き継ぎについて皆さんとお話ししたく、娘のAと共に参りました。」

彼らは久しぶりに会えた喜びと、主はもういないことに複雑な表情を浮かべた。

私も何だか不安になってきて眉を下げてママを見つめる。

ざわつく彼らの中、一振が口を開いた。

？？？「この本丸には思い出が詰まっている。出来ることならば俺は存続したい。皆もそうであろう？」

瞳に月が灯った彼はそう言った。

ママに誰なのか聞くと「三日月宗近よ、お月様の三日月と一緒。」と教えてくれた。

ふんわりした雰囲気の彼は続けてこう言った。

三日月「結衣よ、そなた、新しい命を抱えておるだろう。その身では審神者を継げまい。」

母「あら、分かるのね。ええ、私は小さな灯火を抱えているわ、まだ小さい命を。」

二人の言葉にさらにざわつく広間。

気の利いた脇差が慌てて椅子を持ってきて母を座らせる。

ママが「ほら、優しいでしょう？」とのんびり笑うから、私も安心して笑う。

母「まだ四ヶ月だから安心して頂戴。ありがとう堀川。」

堀川「うん、どういたしまして。」

「おめでとう」の言葉で部屋がいっぱいになると、ママは嬉しそうに笑って「ありがとう」という。

ママの笑顔にニコニコしながら隣で座っていると、加州が近付いてきて膝に乗せてくれる。

「清光ずるいぞ！」「加州！そこ譲れ！」「加州さん後で交代ね！」

なんて聞こえるけど、加州はドヤ顔だけ向けていた。

振り返って顔見ればニコニコしてるので聞いてみる。

『きよちゃん、だっこすき？』

加州「うん、好きだよ。」

『じゃあたくさんおひざのっていい？』

加州「もちろん！Aなら大歓迎だよ！」

『やったぁ！』

ぎゅっと抱きしめられて嬉しくなったから私も抱きしめ返した。

すると、何やら花びらが舞い落ちてきた。