58.嫌いで嫌いじゃない ページ11
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起きた時、そこは私の部屋だった。
手元には手紙が。
[親にバレたら大変だろうから部屋に寝かせておいたぞ。熱の時は無理するな。治ったらまたアジトに来い]
私はその手紙をぐしゃりと握りつぶす。
くそ……くそくそくそ!
なんでウィズが……
涙を必死に抑え、必死に笑顔を作り部屋を出る。
そこには丁度子供達全員と…
ぼろぼろのお父さんがいた。
憎悪が湧き出る。吐き気がする。
……でも、嫌いになれないんだよな。
「お前ら、いいか……っと、A、もう大丈夫なのか?」
『うん、大丈夫。それで、なんの話?』
私は笑顔で首を傾げる。
お父さんは真剣な顔になった。
「いいか、旅団には絶対に近づくな。分かったか」
『っ…』
やばい、オーラが乱れる…
私は深呼吸をし、オーラを落ち着ける。
だが、お父さんもイルミも気がついたみたいだ。
「…どうした、A」
『………ううん、ただ、お父さんの圧がすごくてびっくりしちゃって』
私がそう微笑めば、そうかと笑いながら私の頭を撫でるお父さん。
っ……もし私が、旅団だったら…お父さんはどうするんだろうか…
私はまた呼吸を落ち着かせ、まだ体調が万全じゃないからと、部屋に戻った。
部屋に戻った私は、ベッドの中で、思いっきり泣いた。
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体調挽回したよ。Aちゃんだよ。
もう目がぱんぱんだよ。
私は気分が沈んだまま仕事へ行き、仕事でターゲットをぐちゃぐちゃにして帰ってきた。
家族の前では天使、仕事では悪魔。
何かが壊れた気がする。
私はため息を吐き、キルが拷問されているであろう部屋へ行く。
『ミル兄、メッ!だぞ!』
「っ!A、これはだな、親父に…」
『いまとっても気分悪いの。反抗するなら…』
私が圧を掛ければ、すぐにやめてくれるミル兄。
私はキルの手を引き、部屋を出た。
「あ、姉貴…?」
『っ…な、なんでもないよ?ごめんね?』
いつのまにか顔が強張っていた様だ。
…キルを心配させて、私、お姉ちゃん失格だな。
私は苦笑して、キルの頭を撫でた。
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名無し - もっと作ってほしいです!続編見たい… (2023年2月19日 21時) (レス) @page14 id: d19581cf0a (このIDを非表示/違反報告)
黄色のお花(プロフ) - すごく面白かったです!続き楽しみにしてます‼️ (2022年4月3日 10時) (レス) @page14 id: 7a01cd330c (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ふぃあろさん» 頑張ってくらさい!((くらさいとは (2021年9月28日 21時) (レス) id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - まるさん» ほんとですか!?ありがとうございます…!!これからも頑張ります! (2021年8月31日 21時) (レス) id: 91505f2211 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - とっても面白いです!1話1話を丁寧に作っているのが伝わります!これからも、無理をしない程度に頑張って下さい! (2021年8月30日 18時) (レス) id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃあろ・宮夢 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uekukz/
作成日時:2021年6月17日 14時