天使だった幼なじみがハイスペックイケメンになって私を迎えに来た。 (ページ6)

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それは突発的なプロポーズ。

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「高校卒業したら結婚しよう」

「おっふぁ！！！！」

リアルでお茶吹いた。本当に文字通りお茶吹くってあるんだな。人生初だ。焦凍くんの顔にかからなくて良かった。

リビングに案内して、お茶を出して、さて今のお互いの話をしようってなった途端の出来事である。

「ちょっ、何を言い出すんですか貴方は！」

動揺する私に構わず、真顔で続ける焦凍くん。

「Aは1年後、俺は3年後結婚できる年齢になる」

「いやそれは知ってるけど」

「善は急げ」

「……え、え！？本気で言ってるの！？」

表情を一つも変えずに言う幼なじみがすごく怖い。嘘か本当か分からない。

関係ない話するけど、焦凍くんなんでそんなに姿勢が良いの？プロポーズしてる自覚あるから？ねえ、そうなの？？そんな背筋真っ直ぐな正座やめて怖い。

あわあわと焦る私を置いて、彼は何かを取り出す。もうやめて。

「手始めにこれ持ってきた」

「…え、いや、…え？？嘘でしょ？待って！？」

彼が取り出したのは、なんと青色の指輪ケース。あの、結婚指輪入れる正方形のやつ。よく見るやつ！！

え、まさかだけど…結婚指輪買ってきちゃった！？ありえるぞ…轟家金持ちだから…結婚指輪くらいお手軽に買えてしまいそう…と一瞬でめちゃくちゃ考えた。

「指輪」

「ビビったあああぁぁぁ……」

焦凍くんがケースをパカッと開いたそこには、プラスチックの見るからにおもちゃの指輪があって安堵した。

ん？この赤い指輪、どっかで…

「……あれ、これ」

「Aがくれたやつ。これのケースに入れてずっととっておいた」

「なんでそのケースに…結婚指輪入れるガチなケースの中身がプラスチックの指輪って…」

脱力。

でも、焦凍くんが大切にとっておいてくれたのは少し…いや、だいぶ嬉しかった。