天使だった幼なじみがハイスペックイケメンになって私を迎えに来た。 (ページ40)

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夕焼けと鮮やかな縁。

○

「……Aは、俺のこと嫌いになったのか…？」

「違う。それだけは本当に違う」

連れてこられたのは、川沿いにある小さな公園だった。

夕日に照らされてキラキラと輝く川を、柵に腕を預けて見つめる彼の言葉には、即答できた。それは本心だったから。

それを聞いて彼はパッと顔を上げて私を見た。目が合う。心なしか、その目もまたキラキラと潤んで輝いている様に見えた。

本当に、綺麗だなあ。

「……ずっとわかんなくて」

「……？」

「今まで何回も思ったけど……焦凍くんは、私なんかのどこがいいの？」

私は君のことを救えなかったんだよ。その言葉は、裏側に隠したけど。

少しでも空気を和らげたくて、軽やかに話したかった。

だから顔が見れなくて目を逸らして川の向こうを見ていると、突然両手首を掴まれた。

「……分かってない」

「…え？」

焦凍くんは顔を伏せていて、表情が見えない。
小さく呟いた言葉が聞き取りづらくて聞き返した。

彼は、パッと顔を上げた。

その顔は怒っているようだった。

「分かってないって言ったんだ」

「…え、うん…？」

「Aは俺に力をくれた。恩人なんだ。大袈裟かもしれないし、Aはそんなつもり無かったと思うけど…俺は随分助けられた」

「しょ、焦凍くん」

「Aの考えてる事、なんとなく分かった。俺のこと過大評価して、自分は釣り合ってないとか思ったんだろ」

「う」

とんでもなく図星を突かれた。こんなに鋭い子でしたかね、焦凍くん。

妙に饒舌だ。そしてなんだか怒ってるように見える。掴まれている手首に力がこもって、少し痛い。

そんな事を考えていると、気づいたらふわりといい香りがして、目の前には焦凍くんの肩口。

……… 抱き締められて、る。