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彼の友人に、また出会う。
○
焦凍くんは意外と忘れんぼさんである。
二回うちに来て二回とも何かしら忘れていった。確率的には2分の2。つまり100パーセントである。
まあそれはいいんだけど。なんと今度は上着を私の部屋に忘れてしまうという、中々のボケっぷり。
キャップはサイズ的にまだ分かるけど上着忘れるって……そしてそれにしばらく気付かなかった私って。
結論的に焦凍くんも私もボケていたのだ。
ちなみに上着の匂いは嗅いだ。それだけです。何もしてません。
一応焦凍くんにメールを入れ、今日も校門で待ち伏せ。
最強寒波とやらのせいで顔が冷たい。思わずマフラーに顔を埋めて縮こまる。
「……あ！」
「あっ？」
「あぁ〜〜！！！」
男の子の声がして、思わず気の抜けた声で返事をしたら、次に聞こえたのは女の子の声。
えっと、私に向けられたのかな。
訝しげに振り返ると、そこには見覚えのある、そばかすの男の子と茶髪の女の子。
「……もしかして、緑谷くん、と、麗日さ……あー！貴方が麗日さんだった！！」
「えっ、はい！？麗日お茶子と申します…！？」
焦凍くんにクレープ屋さんを教えてくれたのは貴方だね！？と心の中で叫ぶ。
体育祭で爆豪くんと熱い戦いしてて、この子ガッツあるなぁ！と思い、顔と名前を覚えたというのに。忘れていた。貴方が麗日さんだ。
「あっ……失礼致しました…私、Aっていいます」
「「知ってます」」
「……なんで…！？！？」
緑谷くんと麗日さんの声がハモる。
え？なんで？お二人はヒーロー科で有名人だから私が知ってても可笑しくないけど、お二人が私を知ってるのは可笑しくない！？
「俺が話した」
「ウワァ！びっくりした！」
「遅くなって悪い。上着ありがとう」
困惑していると、しれっと焦凍くんが現れた。
それをにこにこと見つめるお二方。
……な、なんだ、この状況…？
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作者名：- | 作成日時：2017年12月9日 6時
