天使だった幼なじみがハイスペックイケメンになって私を迎えに来た。 (ページ3)

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それは唐突に訪れる。

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鳩が家の外でもう一度鳴いた。

ご機嫌だな、日曜日だからかな。全く起動していない頭はどうでもいい事ばかり考える。

「お母さん、どこ行くの？」

パジャマ姿で一階に降りると、手鏡を持って真剣な顔で口紅を塗る母がいた。

服装にも気合が入っている。ああ、これは。

「言わなかったっけ？友達とお茶してくるね」

「聞いてないけど…いってらっしゃい」

「お留守番よろしく」

「はーい」

いつもより厚化粧でいつもよりお洒落に出かけていった母を見送る。

一人になった広いリビングで、とりあえずひと伸びしてみた。ぼきんと首から大きな音が響いてため息をつく。

「着替えよう…」

結局パジャマ姿のままだった。

早く着替えて早く洗濯機回して早く干そう。

課題を終わらせたら一人でのんびりしよう。借りてきた映画でも見ようか。

少し寝ぼけた頭で今日のスケジュールを立てていると、チャイムが鳴った。

ピンポーン

無機質な電子音が部屋中に鳴り響き、コンマ一秒置いて顎に手を当てる。

「……パジャマだけど出てもいいかな」

宅配便か。お母さんよく通販で化粧品買うから。

こういう時って出るべきなのだろうか。私は今とっても見苦しい格好をしているけれど。

でもお母さんのお届け物だろうし…出なかったら出なかったで後々怒られそう。

顎から手を外した。

パタパタと廊下を駆けて、扉を開ける。

「はーい………えっ？」

「…っ、Aっ…！」

「へっ？ちょ、うぉお…！？？」

状況が読めない。

突然知らない男の人に名前を呼ばれて、手を握られた。