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過保護だなんて、そんな。
○
『……なんか、さみい』
「今日は比較的あったかくない？」
『いや…風邪でも引いたかもしれねぇ』
「まあ、お大事に」
無理しないで、と付け加えると、電話の向こうから「ありがとう」と柔らかく聞こえる。
普段は低くて落ち着いた口調なのに、時々そうやって崩すのはギャップ萌えとやらをしてしまうのでとても困ってしまう。
顔は見えないけど、今笑ったんだな。可愛いな。
焦凍くんのギャップにあえなくはまってしまう私はちょろ過ぎるのだろうか。否、彼の魅力が底知れないからだ。
季節の変わり目ということもあってか、それとも彼の個性に関係するのか分からないが、さっきから鼻を啜る音や「さみい」という呟きが聞こえる。
かもしれないじゃなくて確実に風邪だと思うよ、焦凍くん。
『まあ明後日休みだし、寮で休む』
「看病しましょうか？なんちゃって」
『……来てほしい……』
流石に部外者を入れることは出来ないことを分かったのか、呻くような声。
うん、私も行きたいけど、天下の雄英のセキュリティ掻い潜るなんて無理だよ。って、何考えてるんだ私は。看病イベントは発生しません。
「熱はない？」
『……多分？』
「とりあえず、悪化させないように。わかった？」
『うん』
「じゃあ今日は早く寝ようね。おやすみ」
『おやすみ』
通話を終え、ベッドにスマホを放り投げる。
大好きな彼を想って、お月様に手を合わせてお願いした。
「焦凍くんの体調が良くなりますように」
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作者名：- | 作成日時：2017年12月9日 6時
