天使だった幼なじみがハイスペックイケメンになって私を迎えに来た。 (ページ2)

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成長した君との再会を願った。

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「……やっぱり、夢か」

鳩がポクロックゥとご機嫌そうに鳴くのが聞こえる、休日の朝。

夢の中でも分かっていた通り、あれらは全て夢だった。

ときどき思い出したように焦凍くんの夢見るのなんでだろう。未練でもあるのだろうか。あるんだろうな。

まだ夢の余韻の残る頭で考えていると、下の階から母の声が響く。

「Aー！早く着替えなさい！洗濯機回せないでしょー！！」

「ごめん、今行くから！！」

焦凍くんと別れておよそ10年、私は高校1年生になった。

当然、私と同い歳の彼もそう。

焦凍くんはあの雄英高校に通っている(と最初に情報を仕入れてきたのは母だが、ソースは謎)けど、私は家の近くのごく普通の公立高校に通っている。もはや遠すぎる関係。

この前、テレビ中継で雄英の体育祭をやっていて、彼の応援を母と二人でしたときに顔を見た。

その強力な個性と美しいお顔も相まって恐ろしいくらい目立っていて感心した。

と同時に、もう高校生になった彼を見て違和感を覚えた。

なるほど。笑わない。

笑わないというか、多感な男子高校生にしては表情が静かすぎやしないか、と思う。

出会ったばかりの頃の天使のような笑顔と、あの日見送ってくれた泣きそうな顔が脳裏を掠める。

やっぱり離れたくなかった。私なんかに何が出来るんだって話だけど、そばにいたかった。

……会いたい。そう思うのも私のエゴだろうか。

(またね、なんて無責任だったな。)