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きらきらの、イルミネーション。
○
「うわぁあ〜…！すっごい…！！」
電車に揺られて、バスに乗って、少し歩いて辿り着いたのは、大きな公園。
そこでは色とりどりに輝くイルミネーションが施されていた。
木にも、柵にも、なんなら地面にも。
沢山の電球に囲まれた公園は、夢の国のようだった。
「ここのイルミネーションが凄いって姉さんに聞いた」
「テレビとかでやってたの？」
「多分、穴場ってやつ」
「そうなんだ、すごいね」
近くの自動販売機で温かい飲み物を買って、両手で温まりながらベンチに座った。
他にもカップルなんて山ほどいるのに、妙に意識して、変な気持ちになってしまう。
手袋を取った焦凍くんが缶のタブを音を立てて倒した。白い湯気が夜空に消えた。
「…ふふっ」
「……どうした？」
「いや、楽しいね」
「俺もだ」
素敵なイルミネーションと、温かいミルクティーと、大好きな彼。
…幸せだなぁ。今なら、何もかも忘れられる気がする。
そんな浮かれた思いに浸っていると、コーヒーを一口飲んだ焦凍くんが静かに私を呼んだ。
「…A」
「なーに？」
「……初めて俺に個性見せてくれた時のこと、覚えてるか？」
覚えてる。
焦凍くんがお母さんを失って口数が減り始めた頃だ。
雪雲を作り出して雪を降らせられるようになった私は嬉しくて、誰よりも先に焦凍くんに見せたんだ。
『ゆきだー！あ、ゆきだるまつくれるよ！』
『………きれい』
『えへへ、しょうとくんもさわってさわって！』
「……うん。覚えてるよ」
「俺は、あの時お前が言ってくれた言葉が今でも忘れられないんだ」
「…ううん…それは覚えてないかも…なんか言ったっけ？」
『しょうとくんのこおりにはかなわないけど、わたしも冷やせるんだよ』
『だからね、しょうとくん！もししょうとくんがエンデバーさんにいじめられたときにはね、こうやって冷やすから』
『しょうとくんがかっこいいヒーローになるために、わたしはしょうとくんをまもるよ』
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作者名：- | 作成日時：2017年12月9日 6時
