百三帝 邪射王絶SIED ページ9
そうだな、これは随分前の話だ
僕が吸血鬼に成り立ての時だが
〈約800年前〉
生活感が溢れる街並みから離れ
貴族の子供達が剣を教わってる
という場所に着いた
案の定、基礎を叩き込まれてる
ジ「やぁ〜、今日も稽古つけてるの？」
ク「ジェシャか…、何か用？」
ジ「暇だから見に来たんじゃないか」
クローリーは真面目な男だった
貴族の子供達に剣を教えるなど
俺は考えられないよ
気楽に生きた方が楽しいだろう
ジ「テンプル騎士には戻らないの？
お前ほどの男なら歓迎されるよ」
クローリーは戦場で悪魔を見た
そんな訳の分からないことを言い
戦争での勝利を神は与えなかった
そして、信仰心を失いつつあった
ク「君こそ戻らないのか？」
ジ「俺は気楽に生きたいんだよね
肉を食い、酒を飲み、女で遊んで
自由気ままに余生を謳歌したいよ」
クローリーは呆れた顔になって
脚が壊れそうになっている椅子に
腰掛けて周囲を見渡す
人間の子供が汗を流しながら剣を
振って、強くなろうとしているが
どうもしっくり来るものがなかった
ジ「それに、俺が戻って何になる？
きっと俺は神に見放されている」
そう、自分はもう人間ではない
あの戦争を体験してから一年間
何もしていなかったと思うなよ
悪魔と呼ばれた存在になったんだ
ジ「ジルベールの奴、昨日も来てね
お前も気をつけた方がいいよ」
ジルベール・シャルトルは
一つ年下の後輩騎士であったが
高貴な家柄と絶対的な支持から
次期管区長候補になっていた
そんなお偉いさんが俺達を騎士に
引き戻して何になるのだろうかね
それにだ、クローリーが嫌がる
から住み場所を離したと言うのに
それもお構いなしでやって来るし
おまけに、信仰心を完全に失った
ク「あれから一年………か」
ジ「はは、感慨に耽るなよ
俺はそろそろ女を探すよ」
テーブルの上にあったパンを
千切り取って、口にほりこんだ
体は受け入れていないが美味い
ジ「そのロザリオがあるせいだろ？
完全に信仰心を失えないのは…」
俺は不真面目で娯楽が好きだ
だから、最初から神に期待せず
己の力だけでのし上がって来た
俺は"自由"を求めている男だから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美鈴愈(プロフ) - 腐女子さん» ありがとうございます。続編もお楽しみにしてください。話進むの遅いですが…(ノ_＜) (2022年12月11日 18時) (
レス) id: b98c7d23df (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 凄く面白かったです！もう毎日毎日続きが気になりすぎてヤバイです！これからも更新頑張って下さい (2016年5月14日 18時) (レス) id: c8a2293b27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
