《番外編２》クローリーSIED ページ12
僕は教会に来ていた
優秀で、強い信仰心を持っていた
ジルベール・シャルトルが死んだ
絶望と恐怖に顔を歪ませながら…
ジ「ははっ、賑わってるねぇ」
鍛え上げられた胸板を見せるかの
ように、胸元を広げたジェシャが
軽い雰囲気で教会に入って来た
ク「ジェシャ…、何故ここに来た」
ジ「ジルベール……死んだんだって？」
こう言われた時、カッとなった
勢い良く近づいて胸倉を掴んだ
普通なら、実の兄にこんなこと
するはずがなかった
だが、この美しい男は笑っていた
ジルベールの死をまるで悲しまず
ジ「そう怒るなよ、過ぎたことだろ？」
呆れたように言葉を紡いでいく
過ぎたこと、あぁ過ぎたことだ
過去など何をしても戻せないが
これほど素晴らしい男が死んだ
ク「お前は悔しくないのか！
悲しくないのか！ジルベールは…！」
ジ「俺はお前ほどいい性格をしていないんだよ。
知ってるだろ？血が繋がってるんだから」
ジェシャは僕の腕を振りほどき
棺の中で眠るジルベールを見る
興味深そうにまじまじと見た後
彼はゆっくりジルベールの瞳を
撫でるように閉じさせた
彼はジルベールを可愛がっていた
真面目な騎士が入って来たからと
言って、鍛錬もさらに積んでいた
本当の弟のように接していたはず
それなのに、何故悲しまない…？
ク「お前も一緒に戦った身だろ！
その仲間が死んだんだぞ！」
ジ「で、悪魔に殺されたと」
"悪魔"、確かに奴は戦場にいた
口元から見えた鋭い牙はとても
恐ろしく、不気味なほど強かった
生き残ったのは僕達双子だけだった
もし、ジルベールが悪魔によって
殺されたなら、何故神は助けない
始終、神に祈りを捧げたこの男を
裏切るように見殺しにしたんだ？
ジ「友人もここに来るはずなんだ
犯人探し、してみるか？」
ク「………」
彼はとても楽しそうに笑った
この事件を茶番だと言うように
単なる遊びの一つだと思うように
僕は、目の前の男に戦慄した
楽しげに笑う顔とは対照的に
瞳だけは、果てしない"暗"がある
この一年で何があったと言うんだ
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美鈴愈(プロフ) - 腐女子さん» ありがとうございます。続編もお楽しみにしてください。話進むの遅いですが…(ノ_＜) (2022年12月11日 18時) (
レス) id: b98c7d23df (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 凄く面白かったです！もう毎日毎日続きが気になりすぎてヤバイです！これからも更新頑張って下さい (2016年5月14日 18時) (レス) id: c8a2293b27 (このIDを非表示/違反報告)
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