ダイスキデス

叶わない願い13 ページ13

「俺は太輔に隠し事なんてしてないから」

ズキン。胸が痛む。ごめん、俺は君に隠し事しているよ。。。

「太輔準備出来たなら行こうか」

君は俺に回してた腕をほどき俺のスーツケースを持つ。

「太輔、おいで」

京セラでのライブを思い出す。着替えにはけるとき

「渉が行くなら俺も行く」

って思わず言ってしまった。

そしたら君は笑って

「おいで」

って右手を差し出してくれて、嬉しくて手をつなぎながらはけたんだ。会場から聞こえる悲鳴。北山の
「あいつら出来てるな」
の声。

そんな思いにふけっていたらいつの間にか渉の部屋についていた。渉が上機嫌で話しているからちゃんと会話も出来ていたらしい。
俺は全く覚えていないけど。


「太輔、お風呂入ってるし入っておいで」

君はいつもそうだ。俺を気遣ってくれる。

本当は一緒に入りたいけど、、、ライブの同部屋でも絶対一緒に風呂に入ってくれなかったよな。

「太輔が休めないから」

って。どれだけ俺が他のメンバーの話を羨ましく思ってたかは知らないだろ。
北宮玉のエピソード、本当に羨ましかった。

福岡の時会場で風呂に入ろうとしてたら不意に人の気配がして「渉かな」って期待して振り向いたら健永で思わず睨んでしまったっけ。。


風呂に入りながら君のことを考えている。すると

「太輔タオルとか置いておくね」

ドア一枚隔てて君の声。

「ありがとう」

「そろそろあが…」

「あっ、ゆっくり入ってて。しっかり疲れ取ってね」

君の優しさが何よりも俺の元気の基なんだよ。君の笑顔は俺の幸せなんだ。いつも笑顔でいて欲しいんだ。

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