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涼太の淹れてくれたカフェオレはめちゃめちゃ美味かった
でも、半分も飲まずに後悔した
全部飲むなんて言ってしまった手前後に引けなくなってたけど、ミルクの配合が多いだけで、こんなにもずしりと胃にくるとは思わなかった
ru「ダテさん、僕外の掃除してきます！」
一足先にカフェオレを飲み終えたラウールが席を立つとそう言った
dt「うん、お願い」
相変わらずラウールに向ける表情が優しくて、その度に俺の胸はざわつく
涼太が誰に対しても優しいのは今に始まったことじゃない
高校時代もそれが元で後輩からやたらと人気があって
何度となく俺を使って涼太に近づこうとする後輩がやって来ては、俺がピシャリと断ち切ってやった
お陰で男女問わず後輩から向けられる目は『怖い先輩』で通ってたっけ…
中には宮舘先輩の回りをうろちょろするウザイ先輩と触れ回ってた奴もいたけど、そんなの俺にとってはなんの痛手にもなんないし、寧ろそう言う奴に向けてめちゃめちゃマウントとったりもしてたな…
そんな思い出に浸って口元が緩みかけた時
dt「翔太、俺中行っちゃうけど、ゆっくりしてって」
涼太に声をかけられ現実に引き戻された
店の時計を見れば10時50分をさしている
nb「えっ！？…あ、そっかオープン時間か…」
dt「全然気にしないで、何もお構いも出来ないけど」
涼太はそう言うけど、そうじゃないんだ
本当は涼太とゆっくり話をしたかった
ラウールに嫉妬して不貞腐れてろくに話もしてなければ、ちゃんと顔も見てなかった
やっと2人きりになったのに、涼太は店の準備で忙しくて話なんて出来ないだろうし…
それでも何か、少しでいいから話がしたい
nb「涼太っ！
あっ…あのさっ、この前、電話ありがとう…」
咄嗟に出た言葉は如何にもな、捻りのない台詞
次に繋げる言葉を必死で探していると
dt「ううん、こっちこそ届けに行けなくてごめんね？
わざわざ来てくれてありがとう」
そう言ってふわりと笑ってくれた
涼太の笑顔にキュッと胸が締め付けられる
あの頃から、何度もこの笑顔を独占したいと思った事か知れない
懐かしくて、苦しいよ…
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作者名：shiro | 作成日時：2022年1月9日 1時
