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ショートホームルームが始まっても、さかたんは教室に来なかった。
担任「あれ、坂田休みか?」
あ、やばい。
このままだとさかたん、先生に怒られるよね。
『あ、えっと、えー、坂田君は遅刻だそうです』
バレないことを願うばかり。
担任「そうか?ありがとなー高橋」
『い、いえ』
めっちゃ会話がぎこちなかったけど……w
なんとかバレないでやり過ごせた。
___キーンコーンカーンコーン
あ、1限目始まる。
1限目は確か…担任の授業だったかな。
___ガラガラ
坂「はあっ………!」
大きい音をたてて開いた扉の方を見ると、さかたんが肩で息をして立っていた。
担任「よし、坂田来たなー。授業はじめるぞー」
坂「えっ?あ、はい!!」
さかたんは「あれー」みたいな顔をして隣の席に来る。
『……遅刻ですって、言っておいたよ』
やっぱりがっつり話すのは気まずくて、目を合わせなかったけど。
坂「……ありがと」
お互い様だね。
でもな……
このままは嫌だ。
でも、どうすれば………。
___ヴーヴー。
ふと我に返ってこっそりスマホを見ると、それはLINEの通知だった。
『(誰からだろ……)』
さかたん今日はいろいろとごめん。ちゃんと話したいんやけど、お昼一緒に食べへん?
『………え』
うそ、まさかさかたんからだったなんて………。
話って何だろう?
私は先生に見つからないように、こっそり
たかはし。分かった。私も、話したいことがあるんだ
と送る。するとすぐに
さかたんじゃあ、昼休みは図書室に行こう
さかたんから返事が来た。
私はかわいいOKのスタンプを送信して既読がついたのを確認すると、そっとスマホをカバンにしまった。
お昼休みが待ち遠しいような、来てほしくないような気がする。
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作者名:梅渉 | 作成日時:2017年8月22日 17時