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#29 ページ32

ショートホームルームが始まっても、さかたんは教室に来なかった。





担任「あれ、坂田休みか?」





あ、やばい。
このままだとさかたん、先生に怒られるよね。





『あ、えっと、えー、坂田君は遅刻だそうです』




バレないことを願うばかり。






担任「そうか?ありがとなー高橋」





『い、いえ』





めっちゃ会話がぎこちなかったけど……w

なんとかバレないでやり過ごせた。





___キーンコーンカーンコーン



あ、1限目始まる。
1限目は確か…担任の授業だったかな。





___ガラガラ


坂「はあっ………!」




大きい音をたてて開いた扉の方を見ると、さかたんが肩で息をして立っていた。




担任「よし、坂田来たなー。授業はじめるぞー」



坂「えっ?あ、はい!!」





さかたんは「あれー」みたいな顔をして隣の席に来る。




『……遅刻ですって、言っておいたよ』



やっぱりがっつり話すのは気まずくて、目を合わせなかったけど。



坂「……ありがと」



お互い様だね。





でもな……

このままは嫌だ。


でも、どうすれば………。





___ヴーヴー。



ふと我に返ってこっそりスマホを見ると、それはLINEの通知だった。


『(誰からだろ……)』



さかたん今日はいろいろとごめん。ちゃんと話したいんやけど、お昼一緒に食べへん?





『………え』




うそ、まさかさかたんからだったなんて………。


話って何だろう?


私は先生に見つからないように、こっそり


たかはし。分かった。私も、話したいことがあるんだ


と送る。するとすぐに


さかたんじゃあ、昼休みは図書室に行こう



さかたんから返事が来た。


私はかわいいOKのスタンプを送信して既読がついたのを確認すると、そっとスマホをカバンにしまった。





お昼休みが待ち遠しいような、来てほしくないような気がする。

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設定タグ:歌い手 , あほの坂田 , うらたぬき   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:梅渉 | 作成日時:2017年8月22日 17時

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