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#26 ページ29
杏奈side
あんなAを見るのは初めてだった。
中学時代はそこそこ喋る仲で、Aが嫌なことを言われたりしても見てみぬふりをしてた。
3年のある日、忘れ物を取りに教室に戻ると、Aが机に伏せてた事があった。
一応心配になって近くに寄ると、寝ているまま、
静かに涙を流してて。
"この子はこのままにしていたらいつかいなくなってしまう"
そう感じて
守ろうって、思った。
.
高校で同じクラスになって一緒にいるようになって、Aは恋をしなかった。
トラウマとか色々あって、だと思う。
だから私も合コンとかには誘わなかったし、恋を促すこともしなかった。
だから坂田君には本当に感謝してる。
今度、言葉にして伝えてみようかな。
「あの子を明るくしてくれてありがとう」
って。
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作者名：梅渉 | 作成日時：2017年8月22日 17時
