09. ページ14
「A、大胆♡」
「、つい…ごめん、下ろして」
広斗は咄嗟に私を受け止めてくれたけど、さっと下ろしてくれる。そろりと視線を向けると、見た事ない人懐こい笑顔を浮かべるからドキッとした。そんな笑い方、するんだね。
「ん。もう少し重かったら落としてたかもな」
「なにおー!」
「冗談だっつの」
「おにいそっちのけでイチャイチャ禁止!」
「「してない」」
声を揃えてしまった私と広斗は顔を見合わせてぶふっと吹き出した。雅貴君は悔しそうにして“A〜♡”と抱き着いてくる。本当、スキンシップ激しいな。広斗はそんな私達を放って何処かに歩いて行ってしまう。置いていかないでくれ、二人にしないでくれ…!
「出前、なんにすんの?」
「あー、うちチラシとかねえな」
広斗の問い掛けに雅貴君は私をぎゅうぎゅうと抱き締めながら応える。そしてぱっと離したかと思うと自分がソファに座り、私の腰を引き寄せて膝の上に乗せる。うん、恥ずかしい。
「検索すりゃいいだろ。A、なに食う?」
スマホを片手に戻って来たひろが雅貴君の座っているソファの隣のソファにどっかりと座った。雅貴君の両腕がお腹に回って肩の上に顎を置かれる。ちょー密着。元彼のコブラ君とも余り、こーゆー事は…。
「え、っと…あの、何でも食えます」
「へえ、好き嫌いねえんだ」
「んじゃ、広斗君てきとーにお願い♡」
雅貴君がそう言うと広斗は“はいはい”と面倒そうに答えてスマホをガン見している。するり、と雅貴君の腕を外して抜け出すと背後から残念そうな声が聞こえた。広斗の座ってるソファの肘置きに両手を置いて広斗のスマホを覗き込むと視線を感じて広斗の顔へ視線を向ける。当然、ばちっと目が合う。
「寿司食うか」
「わーいわーい」
“ガキか”と、笑ってデコピンされた。地味に痛い。“Aこっちおいでよお〜”と言う雅貴君を振り返ると両手を広げて満遍の笑み。気後れしている私の肩を掴んで引き寄せる広斗、バランスを崩して広斗の胸に崩れ落ちる事はやった本人も判っていたと思うのだけどれど…私、多分だけど顔赤い。
「お前の食いたいもん選べ、馬鹿」
「あ、はい…すみません」
広斗の胸板に鼻をぶつけた私は手で鼻をさすりながら、眼前にある整った広斗の顔を拝む。どうにか状態を起こすと雅貴君が脇に手を回して引き上げてくれた。
「もー!お兄ちゃんともイチャイチャしてよ!」
広斗の呆れた視線と、私の苦笑い、ニコニコ顔の雅貴君。
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テトラ(プロフ) - れおなさん» 喜んで頂けて嬉しいです!これからも良かったら読んでやって下さいm(_ _)m (2016年12月11日 11時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
れおな - ホントにそうですよ!笑こんな、イケメン兄貴がいたら自慢になるし、いいことありすぎて!更新、ありがとうございます!! (2016年12月11日 8時) (レス) id: 3a84a667db (このIDを非表示/違反報告)
テトラ(プロフ) - れおなさん» うちのお兄ちゃんでもいいと言っていただけたら有難いですm(_ _)mコメントありがとうございます! (2016年12月8日 8時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
れおな - キャーーー!!雅貴ーー!!広斗もいいですけど、雅貴もいいですね! (2016年12月7日 18時) (レス) id: 3a84a667db (このIDを非表示/違反報告)
テトラ(プロフ) - れおなさん» れおなさん、お久しぶりです!期末テストお疲れ様ですm(_ _)mコメントは下さるだけで有り難いです!はい、共に買いましょう!デーブイデーを!笑 (2016年12月1日 19時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tetoratora0216 | 作成日時:2016年11月25日 18時