★ ページ38
「え？借金…？」
緑「えぇ。あなた方が抱えている借金。それが全てなくなってからまた話しをしようと言うことです」
顔色を真っ青にして引きつっている女性に対して、阿部が淡々と説明する。
ラウールはどういうことか分からず、泣きながらオロオロしていた。
紫「まさか。その借金をラウールに返済させようとして引き取ろうとか考えてはないですよね」
「え、っと、」
紫「借金を返済することが普通の幸せ、ねぇ。ふざけるなよ」
笑っていた深澤が、真剣な表情で女性の方を見た。その表情には、どこか怒りの色も混じっていて。女性はビクリと体を跳ねさせ怯えた。
紫「ラウールを、借金まみれの所に引き取らせると思ったか？」
緑「それに。あなたはあの母親の家族。もしも、ラウールがその母親のことを思い出して苦しんだりして。助けることは出来るんですか？」
深澤と阿部にそう言われ、女性は黙ることしか出来ない。
紫「帰れ。もし本当にラウールの幸せを思って引き取りたいのなら、借金を返済し終わってから来いよ」
「はっ。借金の返済に使えないなら、そんなガキいらないわよ！！」
女性はそう叫ぶと、旦那を連れて帰って行った。どうやら深澤達の予想通り、借金の返済にラウールを使う予定みたいだった。
白「辰哉さん、」
紫「ん？ラウ、まだ泣いてたんだ」
白「だって、」
まだポロポロと涙を流してるラウールを、深澤は愛おしそうに見つめる。
ラウールの涙を拭いながら、深澤は話し始めた。
紫「言っただろ、ラウ。俺はラウを捨てないし離さないって」
白「でも、」
紫「ここには危険がつきものだっていうのも分かる。でもな、もう離せないの」
白「辰哉さ、」
紫「俺らはもう家族なの。家族を手放すなんてこと、出来るわけないだろ」
深澤に言われ、ラウールは泣きながら同調するように頷いている。阿部もまた、そうだと言うように頷いていた。
白「辰哉さん」
紫「ん？」
白「約束だよ。俺を絶対に離さないで」
紫「ん。約束する。絶対にラウを離さない」
断言した深澤に、ラウールは泣き笑いの状態でもう1度抱きついた。
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鳥(プロフ) - リクエスト失礼します！紫さんが色々あってめっちゃ機嫌悪い時に白さんが絡みにいっちゃって紫さんがガチギレして白さんが必死に謝るみたいな話が見たいです！よろしくお願いします！ (2020年7月21日 20時) (
レス) id: 1630307406 (このIDを非表示/違反報告)
果恋 - リクエスト失礼します！赤さんが誘拐されて、翔太くんが激怒する話をお願いします！白さんメインではないんですが、書いてくださると嬉しいです (2020年7月20日 23時) (レス) id: 9af56d7aaf (このIDを非表示/違反報告)
芽那(プロフ) - わかりにくくてすみません！ (2020年7月20日 21時) (レス) id: b51a0fe72c (このIDを非表示/違反報告)
芽那(プロフ) - いつも更新楽しみにさせていただいてます！リクエスト失礼します。ラウールが学校でリンチみたいなのをされてしまい、虐待の時のことを思い出して自殺未遂みたいなのを隠れてしてしまっていて何日か後にばれてみんなから愛されてるよって感じの話が見たいです。 (2020年7月20日 21時) (レス) id: b51a0fe72c (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - いつも更新を楽しみに読ませていただいてます。リクエストをお願いしたいのですが、黒さんが紫さんを庇って怪我するお話が見たいです、白さんメインでは無いのが無理なら全然大丈夫です！もし可能でしたらよろしくお願いします。 (2020年7月14日 18時) (レス) id: b8eb487ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふーちゃ
| 作成日時：2020年6月30日 19時
