先輩に頼れ、クソガキ。【東卍】

険悪な姉妹仲 ページ27

「隊長、妹さんが来ています。」


厄介ごとはこっちの都合を考えてはくれないもので、忙しいときほどたくさん舞い込んでくる。


『……隊員とトレーニング器具を隠して。バレないようにして。』


妹には、あたしがこんなことをしているなんて伝えていない。


妹はおばあちゃんの家で暮らしているし。


「お姉ちゃん！」


『よく来たわね。』


3歳下の妹は、可愛くて守ってあげたくなるような子だ。



「いらない。今日はママが居ないか見に来たの。でも居ないみたい……あんたは本当に、ママに会わせてくれないよね。」


……姉妹仲は悪いけど。


なんで悪いのかというと、あたしが妹をおばあちゃん以外の親族に会わせないようにしているからだ。


ほかの親族は、「この一族に生まれし者、必ず政治家か医者になれ！」っていう人ばかりで、医者や政治家を産めなかった嫁はいびられる。


……あんな人達、関わらない方がいい。


『ごめんね……学校はどう？』


「ウザイ。私、もう帰る！！お姉ちゃん……いい？私は絶対に、アンタが今独占してるママからの愛を手に入れてやる。」


絶対やめた方がいいよ、という言葉の代わりに、『またね。』と笑顔で手を振った。

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