先輩に頼れ、クソガキ。【東卍】

直談判 ページ23

武道side



東卍のトップになると誓ってから、数日。


俺は東卍の集会に来ていた。


しかし、目の前に広がるのは絶望的な状況。


稀咲が参番隊の隊長だって……！？


しかも今は、壱番隊の隊長さんが東卍を出ていきそうになっている。


どうしたらいい、どうしたらいいんだ……！？


結局、俺は稀咲を殴る以外何も出来ず、集会は終わった。






『武道。』


「Aさん！？」


集会が終わって、稀咲のことをマイキーくんに相談しようとマイキーくんのところに向かっていると、Aさんがどこからか現れた。


『今出ていった人いるでしょ。あの人、場地圭介って言うんだけど、マイキーの幼なじみなの。……これから稀咲のこと、反対しにいくんでしょ？多分アイツは圭介の奪還を交換条件として出してくる。』


「は、はい。」


『断ったほうがいいわ。』


「はい？」


『圭介の奪還とか無理よ。あの子はあの子で信念があるもの。』


「っ、ごめんなさい、Aさん。俺……それはできないです。」


『ん？』


「俺は稀咲を追い出したい！どうしても、です！稀咲は東卍を潰すことになる！稀咲は……あいつは悪だ！あいつを潰すためなら難しいことでもなんでもやってやる！」


『……そう。応援するわ。』


すんなり受け入れられて驚く俺に、「先輩だからね」といつものセリフを言った。









『稀咲はユダ、裏切り者……あの子、これを知っているようだったわね。なんで、知っているの？』


Aが武道を疑っていることを、まだ誰も知らない。

怪我→←仏壇ー12年後ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す