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泉さんには最後まで甘える事ができないまま別れてしまったけど、こんな時にすぐに駆けつけてくれる人がいるなんてあたしはとんでもない事をしたんだなと深く反省出来た。
次の日、また次の日と元の世界での入院生活が過ぎていく事に
あの何年間もの日々がまるでなかったかのように時間が進む事に
あの修行や任務で傷付いた手や体が嘘のように綺麗な体を鏡で見る度に
夢だったのか、幻だったのか、現実世界に引き戻されていく感覚を身にしみて実感していた。
あたし、実はとんでもない妄想混じりの夢を見ていたのだろうか。
そう考えていく度に保険やら入院費用やら仕事やら、「現実」が頭の中をぐるぐるまわり気分が悪くなった。
散歩でもしよ、、。
点滴が外れたので気分転換に散歩コースを看護師さんに聞こうとナースステーションへ向かう。
看護師「ねぇ聞いた？交通事故で運ばれてきた男性、信号無視が原因だったんだけど幸い誰にも被害はないのに人を轢いたってずっと大泣きしてるのよ！」
看護師2「聞いたもなにも、俺が轢いた男の子は無事なのかって何回も聞かれたわよ。」
看護師3「でも誰もいなかったんでしょ？こっわークスリでもやってたんじゃない？」
近づくと噂話とやらを楽しむ看護師さんたち。
「あのー散歩したいんですけど。」
話しかけるも、あたしの声はまだ小さいらしく盛り上がりが止まらない看護師さんたちには届かない。
看護師「それがね、私こないだ来てた警察の話聞いちゃったんだけど、その事故が起きた周辺のドライブレコーダーとか防犯カメラの映像調べてたら、一瞬だけ高校生くらいの男の子が映ってたって！」
看護師2「嘘でしょ？！」
看護師「本当に！轢かれた瞬間に姿を消したらしくって！」
看護師3「ちょっとやだ〜そんな事あるわけないでしょ！」
看護師「本当ってばー！！」
「あーの〜！すみません！」
やっとあたしの声は届いて散歩コースを教えてもらった。
___そして、もうあっという間に現実世界に戻ってあの日々を夢だったと思い始めたあたしに、思いもよらぬ事が起きたのだった。
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てた(プロフ) - banana様、コメントありがとうございます！ぜひこれからもよろしくお願いします＊ (2020年12月12日 8時) (
レス) id: eb07f08e0b (このIDを非表示/違反報告)
banana(プロフ) - とてもいい作品でした。続き楽しみにしています。 (2020年11月30日 0時) (レス) id: 7994b8d3a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てた | 作成日時：2019年12月11日 20時
