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A「あ、胡蝶さん!」
私は学校が終わり、宿へ戻った。宿の前には胡蝶さんが立っていた。
胡蝶 「こんにちは。学校お疲れ様です。」
A「胡蝶さんこそ。」
胡蝶 「それでは、私についてきてください。」
胡蝶さんは歩き出した。私もその隣を歩く。
胡蝶 「学校はどうでした?」
A「人が多かったです。でも、友達がたくさんできたので、楽しくやっていけそうです。」
胡蝶 「良かったですね。」
胡蝶さんは笑顔で言う。こんな穏やかな時間も、いつか一瞬でぶち壊されるんだろうな。
胡蝶 「お館様。お連れしました。」
胡蝶さんは、今私達の目の前にいる人に向かって頭を下げた。私も彼女につられておずおずと下げる。
?? 「ありがとうしのぶ。君がAだね。」
A「はい。」
なんだろう。すごく落ち着く。この声を聞いているだけで、心が安らぐ。
?? 「はじめまして。私は、産屋敷耀哉。鬼殺隊の当主を務めている。」
この方が…。
A「Aです。よろしくお願いいたします。」
お館様「うん。よろしくね。」
優しい笑顔だ。鬼殺隊の方って、こういった人たちばかりなのかな。
お館様「しのぶから、事前に聞いているよ。私はAに頼みたいことがあるんだ。」
A「頼み事?」
私なんかにできることが!?
お館様「君に、鬼殺隊専用の食堂を経営してほしい。」
…食堂?
A「何故食堂なのですか?」
お館様「隊士たちに、食事のときだけでも、鬼を忘れてゆっくりさせてあげたいんだ。お店は既に準備してあるよ。そこが、君の家にもなる。」
そういうことか。別にお店をするのはいいんだけど、私料理苦手だよ?
お館様「料理は得意かな?」
…あ、思い出した。そう言えば、ここに来る前にばあちゃんが書いてくれた料理の参考書があるんだった。私のばあちゃんは、お料理上手だから。
A「得意ではありませんが、祖母から参考書を貰っているので、作れないことはないと思います。」
お館様「そうなんだね。もし、何かの作り方を知りたいときは、いつでもこの屋敷においで。教えてあげるよ。」
A「…!?ありがとうございます。」
お館様「…お願いできるかな。」
A「はい!」
命がけで仕事をしてくれる、私達を守ってくれている鬼殺隊の役に立ちたかった。とても嬉しい。
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