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時透 「ここなの?」
A「うん。」
意外とすぐに教室に着いた。私の席は窓側で、月明かりに照らされている。
時透 「席はどこ?」
A「あそこ。机の中にあるはず。」
時透 「分かった。……行こう。」
いつ鬼が出てくるかわからない。そう思うだけでも怖い。
でも、ここに来るまでには会わなかったし、何も出ないと油断していた。
隣には時透君もいたし、安心してた。
A「あったあった。」
私は机から帳簿を取り出した。
教室をあとにしようと、ドアの方に向かう。
時透 「A!危ない!」
私は時透君に腕を引かれて後ろに下がった。
ズドォォォォン!!
鬼がいた。
口に血が!?
誰か食われて…!?
時透 「それはない。職員室前には柱の人がいるから。全員無事だと思う。
多分、その前に食べられた人の血だよ。」
心を読んだかのようにスラスラと返してくる。あ、声に出てたのか。
時透 「鬼は何匹いるか分からない。僕のすぐ後ろにいて。」
時透君は、こちらに襲いかかってきた鬼を一切りで殺していく。
しかも片手で…。どれだけ強いんだろう。
私は恐怖で足が動かないのに。時透君は立派だ。
彼にだって恐怖はあるだろうに。それを押し殺してまで人の為に戦ってるんだ。
私よりも年下なのに。
何もできない私が惨めになってくる。
時透 「職員室に行こう。」
それでも時透君は私の手を優しく握ってくれる。
安心させるように、優しい声で誘導してくれる。
恐怖心が段々と薄れていくのは、時透君がそうしてくれているから?
それとも、隣りにいてくれるのが時透君だから?
A「…ありがとう。」
時透 「…?」
今更だけど、今だから思う。私一人で行っていたら、確実に死んでいた。
ある意味命の恩人だ。
職員室に着くと、見覚えのあるニ人がいた。
A「不死川さんに伊黒さん!」
不死川「!?なんでテメェが!」
伊黒 「こんなところで何をしているんだ。」
A「忘れ物を…いひゃい。」
伊黒さんに頬をつねられる。
この人はいつも私を子供扱いしてくる。
いい人だ。
伊黒さんとは知り合ったのは時透君と知り合ってすぐだった。
鏑丸がすごく可愛くて、可愛さを語ってたらいつの間にか仲良くなっていた。
伊黒 「何故考えなしに行動するのかね。そもそも暗くなったら鬼が出るとわかった上で外に出たのか。だいたいお前はいつも…(ネチネチ」
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