Rまでのカウントダウン：短編集【鬼滅の刃】

宇髄天元.2 ページ38

手を脇腹に当てながら言う。

お腹が痛いのだ。思い当たる節は一つ。

「アイスクリーム」だ。

食べすぎたのか、お腹が冷えてしまったのか。

とりあえずこの状況をどうにかしたい。

ここから少しすると藤の家がある。

厠を貸してもらいたい。何なら疲れたので泊めていただきたい。

宇「なんの用事だ」

歩いていた足を止める。

素直にお腹が痛いと言っていいのだろうか。

てか、痛い。冷汗が噴き出す。

特に何かの宗教を信仰しているわけではないが

お腹が痛いときって神に願うよね。これマジ謎。


『すみません！体調が悪くて！天元様は先に帰っていてください！』

そう言って藤の家に向け走った。

藤の花の家の人に泊まることを伝え、厠の場所を聞きダッシュする。

神よ・・・！





『間に合った・・・！』

厠からスッキリした状態で出てくる。

もう腹には何もないかの如くスッキリした。

心なしか体も軽くなった気がする！

素晴らしい！ご飯食べたい！

食事の時間と湯浴みの時間を言われ部屋に案内される。

湯浴みまでゴロゴロしよ〜

そう思い私が泊まる部屋の襖を開けた。

宇「よっ！腹はどうだ？」

着流しで横になった状態の旦那様がいる。


『天元様！？なぜお腹のことを！』

なぜここに！と聞こうとしたが、お腹のことを聞いてしまった。

宇「Aの腹が空いたときの音と、さっきのは違っていたからな」

笑いながら言っている。

こっちは神にも縋る思いだったのに。まぁいいか。治ったし。

宇「それに」

起き上がり、抱きしめられる。

宇「体調悪い妻を置いて、先に帰る旦那がどこにいるんだよ」

そう言ってキスをされた。優しいキス。

う、

『ありがとうございます』

抱きしめ返してそう言うと、更に強い力で抱きしめられる。

宇「続きはメシと湯浴み済ませたあと、布団でな」

耳元で囁かれ、耳にもキスをされた。




あのあと天元様の言葉を思い出す。

そして一人恥ずかしくなる。それを繰り返している。

宇「意識しすぎだろ」


『・・・すみません』

食事中に言われたが、あんなことを言われて普通に過ごせと言う方が無理だ。

緊張する。上手くできるだろうか・・・。



寝る準備を済まして、布団を寝室に2つ並べる。

あぁ、今日ここで・・・考えるだけで顔が熱くなる。

興奮しすぎて鼻血出そう。

宇「布団ありがとな」

頭をぽんとなでて羽織を脱ぐ天元様。衣桁にかけ布団に入る。

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