昼休み、校庭の片隅で３人に問い詰められる僕。 ページ10
夏休みが終わった。今日から９月だ。
「行ってきます！」
「行ってらっしゃーい」
僕はいつものように、朝、家を飛び出した。
９月の朝は、まだ８月と変わらないくらいの気温だ。なんか、まだ夏休みのような気がする。
「A君？これから学校ね、最後なんだから楽しんでおいで」
僕が住んでるマンションの一階に住んでる方が声を掛けた。
この方は長谷川みちるさんと言って、僕がこの街に引っ越してきてからずっとお世話になっている方だ。なんか第二のお母さん、って感じがする。
「…はい、行ってきます！」
そう言って、僕はバス停へと向かった。
＊
「えー！！？A転校すんの！？ちょっと待ってよ、嘘って言ってよ！」
「A君…」
「A、本当か！？後で、嘘でしたとか言うなよ」
「ほんとだって！みんな信じてよ」
昼休み、校庭の片隅で３人に問い詰められる僕。
当たり前か、いきなり転校するなんて言っても嘘のように感じられるもんな。
「いつ転校するの？」
「明日にはもういない」
美沙紀の問いかけに、躊躇なく答える僕。
「えー！！？」
「えー！！？」
流石カップル――と言わんばかりの完璧なハモりを見せる谷風と夕莉。
そうだ。僕は転校する。と言っても、引っ越すわけではない。
家はそのまま、引っ越しはしない。
この街と同じ州の中にある、ラヲクリアと街に僕一人で行くのだ。
理由は、デモが大きくなってきたからだ。
パウレル教徒の人達が、一緒にデモをやらないか？と家に勧誘に来たり、街中がデモの張り紙やポスターで溢れかえったり…街はパウレル教一色に染まってだんだんおかしくなってきた。
それを恐れてか、母さんが夏休みに他の街で一人暮らしをやるのを薦められ、僕は結局この街を離れることを決意したんだ。
「…そんじゃあ！今日はお別れパーティーやりますかぁぁぁ！！」
「そうだな、それがいい」
「私も賛成」
「え、い、いいの！！？」
「もっちのろんどん！！」
「当たり前だ」
「もちろんだよ」
この街に来て、本当によかった。
今はそれだけしか、頭にない。
とりあえず手を振ったけど、なんでいきなり帰ったんだろう。→←「ハッピーエンドはやってくる！祈りを捧げていれば！！」
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りあ＠イラコン運営(プロフ) - 沢紫園さん» ありがとうございます！ (2016年6月11日 12時) (
レス) id: d722fb9a07 (このIDを非表示/違反報告)
沢紫園 - 素晴らしい小説ですね 今まで読んできた占ツクの中でも一番面白いと感じました どうやったらそんな素晴らしい小説が書けるのですか (2016年6月10日 21時) (レス) id: c06c7da2f0 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 二人ともありがとうございました！出来る限り良い作品になるよう、直したり付け加えたりしていきたいと思います！ (2016年3月30日 16時) (レス) id: d722fb9a07 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース＠大好き。(プロフ) - Ｑ＆Ａから来ました。とても素敵な作品だと思います、感動しました。私が言える立場ではないのですが、あえて言わせてもらうとしたら、サイドストーリーを入れてみると面白いと思います。あとは、見出しをインパクトあるものにするとか。これからも頑張ってください！ (2016年3月30日 15時) (レス) id: 9ce07a50ad (このIDを非表示/違反報告)
ものかきさん(プロフ) - 綺麗なお話でした！ 落としどころもよくて、ぎゅきゅっと物語が詰まっていて……。久々にジーンときました！ ただ、少し辛口にするなら、もう少し4人のエピソードを増やした方が良かったです。今のままだと、谷風くん達のキャラが掴みにくい所があるので。 (2016年3月30日 13時) (レス) id: 4ffd81dcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りあ （短編小説制作所） | 作者ホームページ：http://akojunknjcvf.blog.fc2.com/
作成日時：2016年3月29日 22時
