やっとですか、江口さん。

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同時刻



リビングのソファーで携帯を見つめている自分
江口拓也です。




「発表したの？」


「うん……はぁー！！緊張するー！！」



「お疲れ様笑」




彼女は東A…あ、もう江口Aです。
先日入籍した僕の奥さんです。


ちなみに職業は音響さんです。




「この後お仕事でしょ？」



「うん、Aもでしょ」




「そう…だけど、凄い弄られそう…嫌だなぁ…笑」



「まぁ仕方ないよね笑、今日は我慢！」



「まぁいいけど笑」




僕がまだ新人の頃、彼女もまた新人として現場に来ていた。
その時に一目ぼれしたと言っても過言ではない

彼女はおとなしい性格で、仕事熱心なまじめな子



かと思っていたが
付き合ってからはお茶目な一面もあり、子供みたいなところに
ますます惹かれていっていた。



「はい、もうそろそろ家でないと！」



「あぁああ嫌だぁ！離れたくないぃぃ！」



そう言って彼女の腰に腕を回すが
べりッと剥がされてしまい「何言ってるの笑」と言いながら

準備していた荷物を持ってきてくれる



「はい、今日も頑張って！」



「はぁい…今日帰り遅いの？」



「うーん、今日は21時には終わる予定」



「迎え行く」



「いいよ笑それに今日は飲みに誘われるだろうし、」



「断る！」



「だめ！人付き合いもお仕事、はい！頑張っていってらっしゃい！」



「じゃあ…いってらっしゃいの「はい、いってらっしゃーい」ねぇぇええ！笑」




本当に何もしないでただ手を振ってお見送りしてくれて奥さん
そんな奥さんもかわいいなぁと思いながら現場に向かった。




今日の現場は案の定、たくさん弄られた。

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