其ノ二 ページ3
「奴め！ 大勢の仲間殺しおって！」
少年が短刀を握り直す。刺し違える覚悟で敵に切り込むつもりだ。
「小太郎様、ご無事ですか？」
一族の元締めとして代々仕えている老人の鳶丸が駆け寄ってきた。
傍らには少年と瓜二つな五歳ぐらいの子がいた。少年と違う所といえば少年の髪と瞳が青紫色なのに対しその子の髪と瞳は赤紫色ということぐらいだ。
「残念ながらもはやこれまでです。ここは私たちに任せて小太郎様は如月様とお逃げください」
自分たちのことを心配してくれるこの老人に小太郎は微笑んだ。
「ありがとう。だが私はいい。最後まで仲間と運命を共にするのが死んでいった仲間へのせめての償いであり、頭領の嫡男としての務めだ」
それに対して鳶丸がぴしゃりと言う。
「馬鹿なことをおっしゃらないでいただきたい。ここで死んでどうなるのです。生きていたらなんとかなります。小太郎様と如月様は我々の希望なのです」
「希望…」
小太郎が呟いた。
「そうです。あなた方が生きてさえいればまだ希望はあります。我が鬼能一族が滅びることはごさいません」
近くで騒ぎが起こったのはその時である。また新たに敵側に援軍が到着し攻撃を再開してきたのだ。
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革ベルト
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飛鳥 - コメントありがとうございます。後先考えず更新しているのでどのような小説になるかわかりませんがまたよければ読んで下さい。ついでにこの小説の原作はこのサイトに違う題名で載せておりますのでよければこちらも探して下さい。 (2012年6月30日 22時) (携帯から) (
レス) id: f23fc659e4 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - すごく面白いです！ (2012年6月27日 20時) (レス) id: 2c8841f3bb (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2011年10月11日 2時
