君がNo.1【うらたぬき】 (ページ9)

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Exchange names ページ9

You side＿＿＿＿

あらすじ
なんやかんやで悪魔とたぬきが住み着きます。

『と、とりあえず、お名前お聞きしてもよろしいですか…？』

と恐る恐る名前を聞く。
すると

「名乗る時は自分から名乗るのが人間じゃないのか…？」

とのことなので自分から名乗る事にする。

『私の名前はA。山田Aと言います。』

「ふーん。ヤマダか。お前と同じだなぁ…。」

とたぬきを引き寄せ柔らかく笑って撫でている。
悔しいが綺麗な顔である。

『えっと…お名前聞いても…？』

「あぁ。俺はウラタヌキ。こいつはヤマダヌキ。」

『ウラタヌキさんと、ヤマダヌキさん。』

「ウラタとかヤマダは人間の名前に近いんじゃないか？呼びやすいように呼べよA。」

ウラタさんと、ヤマダさん…は私と同じだからヤマダヌキさんだな。
というか、今サラッと名前で呼ばれた上に呼び捨てにされたなとふと思う。
人間だったらモテるんだろうな。

だが私の意志を無視して居候を決めたウラタヌキさんに意志を伝えようとする。

『では、ウラタさん、ヤマダヌキさん、この部屋から出t……』

｢出て言ってください｣と言ったはずの音が出ない。

声が出なくなっている。
ウラタヌキさんの方を見ると少し目が緑色に光っているように見える。

『…っ。(まただ)』

「ん？」

ニコニコとした顔で聞き返してくる。
まるで「出て行ってくれ」の言葉を封じるようなその顔は少し恐怖を覚える。

口を塞がれると言うよりは声が出ない。
息は出来るし苦しくも無いのだが、
発しているはずの音が聞こえない事がとても不安になる。

「何言おうとしたのかな？Aはちゃんと「いいよ」って言ったよね？」

と言われるが、
何も出来ず固まっていると、

「言ったよね、おねーさん？」

ともう一度聞いてくる。
肯定をしないと解放してくれないようだ。

恐る恐る

＿＿＿ｺｸｺｸ

と頷くとウラタさんは光る目を細めて

「そーだよね。」

と言った後、

『あ、、。』

目の光は消え、私の声は戻った。
それと同時に言葉を紡ぐウラタさん。

「Aは俺の言うことだけ聞いてればいいからね。」

◆◆◆

題名…「名乗り合う」