君がNo.1【うらたぬき】 (ページ19)

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You side＿＿＿＿

「その申し出の意味わかって言ってる？」

その言葉に｢？｣しか浮かべることは出来ない。
その様子を見てか、ため息をつくウラタさん。

「その顔は分かってないよね…。」

そう言うと少しずつ説明をしてくれる。

「「私から取れないの？」って言ってるけど、悪魔に感情や血を善人が任意で売るって事は禁止事項なんだよ。」

『善人？』

「Aは人間として普通に生きてるだろ？それは善人。善人は普通に生きてればスっと輪廻に戻れる。
逆に悪人は人間界で異端の者。つまり犯罪者とかだな。そいつらは俺達悪魔と一緒に…

地獄行きだ。」

ニッコリと笑う彼の目は笑っていない。

「俺達と一緒に地獄行きになる奴は他にも居てな。」

そう言いながらウラタさんは私の方に寄ってくる。
手を取られ耳元に口を持っていかれる。

「俺みたいな悪魔に任意で感情や血を与えてる奴とか。な。」

と耳元で普段より低い声で話される。

「それでも俺に感情か血を与えてくれるなら、もう1回俺に言って？

俺は別に、誰でもかまわないんですけど。」

そう言われると私でいいじゃんと思う。
他の人達が私と同じような恐怖を味わう事になるなら、少し慣れた私の方がいいと思う。

本当にただそう思った。

そう思ったのだが、

初めに私を求めて来たのは彼の方。

だけど今求めているのは…

…？

こちらの答えを待つウラタさんはニコニコとこちらを見てヤマダヌキさんを撫でていた。

◆◆◆

題名…「習性」