【ヒプマイ・男主】俺の隣の奴は今日も笑顔を振り撒いている

俺の隣22*独歩side* ページ23

「…っ…う……ッ！！！」


今何時だ…？！
…って、良かった…今日休みか。
びっくりした…焦ったわ。

休みならまだ寝れる…。
もう一度寝ようと寝返りをうったとき、


「っ…？！！」


目の前にはAの顔。
思わず声を上げそうになり、それを飲み込んだ。
あぶなっ大声出すとこだったわ。

すやすやと起きる気配のないA。
軽く頬を突っついてみる。


『…ん』


起きん。
いや、起こそうとするなよって話なんだけど。

まじまじと見てみると余計にわかる。
こいつ本当に顔立ち良いな。
寝ててこれかよ…いや、でも起きるときよりは若干幼く見えるっていうか。
むしろ、可愛いっていうか…。


「…っ」


ヤバイ、俺なんか今ときめいた。
馬鹿か俺。キモイだろ。
三十路手前のオッサンに可愛いって…いや、でもコイツよく俺に言ってくるわ、馬鹿だな。


「…」


まぁ、馬鹿なところとかあるけど…優しいんだよな。
思ったけど、体あれだけ汚れてたはずなのに綺麗になってるし。
シーツ取っ替えてあるし。

本当に、馬鹿みたいに優しい奴。


「…はぁ」


ぽろっと零れる涙。
泣きすぎだろ…。

するっとAの頬を撫でる。
頼むから、俺を置いていくなよ。
離れるなんてやめてくれ。


「…好き」


普段は恥ずかしくて言えない。


「大好き」


でも本当はめちゃくちゃそう思ってる。


「…っ愛してる」


今だけ、素直にならせてくれ。


「A…」


こんな俺を好きになってくれて


「ありがとう」


Aの唇に自分のを重ねる。
ぐわ…っと胸の奥底から湧き上がってくるこの感情。
熱くて、溶けそうで、愛しいもの。

唇を離して、また重ねる。


普段は抑え込んでしまっている分


今はこの感情に身を任せさせてくれ。

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