【ヒプマイ・男主】俺の隣の奴は今日も笑顔を振り撒いている

俺の隣1 ページ2

『どーっぽ、おはよ』


「…はよ」


ちらり、とこっちを見てデスクに視線を戻す独歩。
目が若干きょろきょろしてるの隠しきれてないのが非常に可愛い。
席に座ってじっと見つめてみる。


『独歩ー』


『独歩くーん』


『独歩さーん』


『どっぽっぽー？』


「…うるさい！」


一瞬、社内がしん…っと静まり返るも、再びざわつき出す。
独歩は顔を両手で覆っていた。


「すみません俺なんかが大声出して黙っとけって感じですよねそうですよねすみませんすみません」


どんどん悲観的になっていく独歩。
ネガティブ独歩くんが降臨してしまった。
可愛いんだけども、自分のことを悪く言ってるのは心が痛い。

俺は顔を覆っている独歩の手に軽くキスを落とした。


「！な、お前…！！」


『大丈夫、誰も見てないよ』


離れた手を咄嗟に掴み、ぎゅっと握る。
怒りたいけど大きな声は出せないし、この状態をどうすれば良いかわからないって顔してるな。


『独歩』


「何だよ」


『俺の名前呼んで』


「は？…A」


ちっげぇよ！！！
こいつ昨日のこと忘れてる！！！


『なんで苗字だよ、言ったじゃねぇか』


「ば…ッ、そんなすぐに呼べるか」


『？俺は呼べてる』


「それはお前だからだ」


あれ、俺なぜか貶されてる？


『独歩が名前呼ぶまで手ぇ握ったままだけど』


「振りほどく」


『じゃあキスする』


「ふざけんな」


『俺本気だけど』


正直、会社だとか関係なくイチャイチャしたいし、キスしたい。
独歩はそれが嫌だってことは知ってる。
こうしたら呼んでくれるだろ(ゲス顔)


「馬鹿馬鹿馬鹿近付いてくんなおいおいおい」


『呼べばやめるって』


最高に悪い顔してる俺に独歩の顔が引き攣ってる。
そんな顔もとても好きだから安心しろ。

俺の隣2→←―プロローグ―*独歩side*

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